メガソーラー開発者が語るファーウェイPCSの魅力

2016.10.05

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 発電事業を展開するいちごECOエナジーと有力EPCのJFEプラントエンジ。発電所開発で協業する両社が今年12月に稼働予定のメガソーラーでファーウェイ(華為技術)製のPCS(パワーコンディショナ)を採用した。いちごECOの五島英一郎社長とJFEの飯田修取締役がファーウェイPCSの魅力を語った。

五島氏●当社は2012年11月に、いちごグループでクリーンエネルギー事業を担う会社として設立され、今年7月までに30ヵ所、約49MWの太陽光発電所を運開させました。現在開発中の発電所を含めると36発電所、約113MWが確定しております。

飯田氏●当社『JFEプラントエンジ』は、JFEスチールのグループ会社で、JFE電制とJFEメカニカルの統合によって今年4月にスタートを切りました。旧JFE電制は、太陽光発電所の建設を1999年から手掛け、昨年までに242MWの施工実績を上げています。

五島氏●当社は、品質とコストのバランスが優れた製品を常に探しており、日本製にこだわりはありません。PCSは、分散型が主流になりつつありますが、すぐに飛びついたわけではなく、安心して導入できるか、数社検討したうえでファーウェイを選びました。実際に飯田さんと中国深圳市でファーウェイのPCSの製造工程も見せてもらい、これならばと思いましたね。

飯田氏●ファーウェイは検査工程のスペースを充分確保していました。パーツを検査し、組み上げてから再度検査してと、段階を踏んでいたのは印象的でした。

五島氏●広島県世羅郡の2.5MWと2.8MWの太陽光発電所でファーウェイ製PCSを導入します。

飯田氏●当社も今回ファーウェイのPCSを初めて扱います。当初は、なぜ通信機器メーカーがPCSをつくるのか、品質面で不安もあったのですが、ファーウェイの製品は故障が少なくメンテナンス性も良いと評判だったので懸念が薄れていきました。ただ、採用の決め手はエアコンレスでした。
 私は製鉄所の電子機器をメンテナンスしてきた経験上、エアコンなしでPCSのような制御装置を使えるはずはないと思っていました。しかし、中小型PCSであれば、確かに発熱量が大型機に比べて少ない。加えて、ファーウェイのPCSにはファンがなく自然放熱式ですから部品交換の手間も費用もかかりません。エアコンレスで消費電力が少なく故障も少ないので、お客様にとってメリットが大きいと思ったのです。

五島氏●大型機の場合はメンテナンス費用が嵩みますが、分散型の中小型機は交換費用だけを考慮すればよい。とくにファーウェイのPCSは交換費用が少ないので、メンテナンス費用は大型機の半分以下に抑えられると思います。

飯田氏●メンテナンスにおいては今回ファーウェイのPCSに搭載される『スマート診断』が有効です。I‒Vカーブ測定と自動故障診断機能がついているからです。

五島氏●我々は、稼働後3年が経過した発電所を対象にパネルの故障をチェックしていますが、それなりに費用がかかります。ファーウェイ製PCSの新機能があれば、その作業が大幅に軽減できるでしょうね。
 故障という点では、当然PCSも故障します。だから我々が重視するのは故障時のメーカーの対応なのです。ファーウェイには、壊れた場合どの程度で新品を届けてもらえるのか約束してほしいと、厳しい要求をしました。それに対してファーウェイから納得のいく答えをもらえた点も採用を決めた大きな理由です。

飯田氏●ファーウェイは長く通信機器を日本で販売しているので、メンテナンス体制は他の海外メーカーよりしっかりしているのではないでしょうか。PCSが故障すると、回収して新品に取り換えるというシンプルなものです。サイトに1、2台予備のPCSを置いておけば、故障時は即対応でき、復旧時間をさらに短縮できます。大型機に比べれば、発電量低下の影響を大幅に軽減できるでしょうね。
 ファーウェイは、PCSの耐久性にも自信があるようです。通信機器分野では、屋外の基地局へ製品を販売してきた実績があるので、過酷な環境下で電子機器を動かし続けるノウハウが豊富にあるのでしょう。

五島氏●施工面に関しても、分散型の中小型PCSを使えば、集電箱や接続箱が不
要になるため、配線工事も合理化できます。重機が要らない点は大きいですね。

飯田氏●はい。当社は30度の傾斜地に太陽光発電所を建設した経験がありますがその際大型機を採用しました。PCSは平らな場所に設置しなければならなかったので、離れた平地に置き、長い配線を引かざるを得ませんでした。1台の重量が55㎏のファーウェイのPCSは架台下に設置でき、配線の手間も少なく、傾斜地での施工も楽になります。

五島氏●確かに軽い点は重要です。三重県津市で産業廃棄物の跡地に建設を計画しています。地中に様々な廃棄物が埋まっていて、地盤が悪い場所では、荷重が1ヵ所にかからないことが大事です。大型機であれば、運ぶために地盤を固める必要さえありますから。

飯田氏●ファーウェイ製PCSに搭載されている4回路MPPT回路も重要な装備です。最近は敷地にできるだけパネルを敷いて欲しいという方が多いからです。この要望に対して、大型機で設計すると、パネル自身の影が傍のパネルにかかり、出力が低下したパネルに引っ張られて発電量が大幅に落ちてしまいますが、ファーウェイのPCSを使えば、MPPT回路数が多いため、影の影響を抑えられます。

五島氏●今後PCSで技術革新はなかなか起こらないでしょうが、ファーウェイには期待してしまいます。差しあたって1500V対応型の開発でしょうか。
 FITの買取り価格は減額されましたが、世界的に見れば高い水準ですし、何よりこの1年でシステム価格が大幅に下がりました。だから当社はまだまだ開発を続けていきます。
来年3月に認定が失効される案件がどの程度あるかによって太陽光市場は多少変わるでしょうが、いずれにせよ、市場は消滅しないまでも、投機は3月で完全に終わり、その後は長期の投資として見ていかなければならないでしょうね。

飯田氏●今後は怪しげな案件がなくなり、貴社のように信頼できる事業者からの依頼しか残らなくなるでしょうが、我々EPCに対するコスト要求は強まり、EPCの淘汰が進むはずです。しかし、太陽光パネルの価格はW単価40円台にまで下がっていますし、さらにファーウェイのPCSを使えば、まだまだ開発できます。チャンスは充分あると思っています。

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