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PCS世界トップ SMAの分散攻勢 コストと機能 二正面で高圧市場を掌握

2017.07.25

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 PCS(パワーコンディショナ)世界トップメーカーの独SMAが、分散設置向けにコスト重視の60kW機と機能重視の50kW機を発売する。コストと機能の二正面戦略で高圧太陽光発電所市場を掌握する狙いだ。

 いまや高圧太陽光発電所における中型PCSの分散設置は常識。それゆえ、メーカーの開発競争も過熱しているようだが、世界トップSMAの新製品は、他社と一線を画する。とりわけ、定格出力60kWの『SunnyTripower60』と、同50kWの『SunnyTripowerCORE1』は注目だ。
 まず60kW機は、SMAジャパンの豊原秀彦セールスダイレクターが「徹底して割り切った」というように、接続箱機能を外し、MPPT(最大電力点追従)機能も1つに絞ったシンプルな製品だ。一見すると、スペックダウンであるが、これには狙いがあった。
 一般に、太陽光パネルでつくられた直流電流は、直流ケーブルを経由してPCSへ流れ、PCSで交流電流に変換された後、交流ケーブルを伝ってトランスへ送られる。接続箱を内蔵した中型PCSを使うと、ストリング付近にPCSを設置するため、PCSからトランスまでの交流ケーブルが長くなり、ケーブルコストが嵩んでしまう。
 SMAの60kW機はこの課題を払拭した。接続箱機能をPCSから外したことによって、ストリング付近に接続箱を、トランス付近にPCSを配置できる。接続箱とPCSの距離は長くなるが、ロスの少ない直流ケーブル1本に集約できるうえ、何より割高な交流ケーブルが短くなる。ケーブルコストの削減に繋がる。
 しかも60kW機の価格は「機能を抑えた分、競合製品より安い」(豊原セールスダイレクター)。重量も75㎏と軽く、施工し易いのだ。平地などに一定の直列数で太陽光パネルを敷く場合、60kW機を活用すれば、施工費の大幅削減が実現する。いうなれば、分散設計の利点と大型PCSによる競争力を併せ持つ製品といえよう。
 一方の50kW機は、60kW機と真逆。各々2つの入力端子を持つMPPT回路を6つ搭載し、入力電圧範囲も150〜1000Vと広い高機能品だ。さらに、PCS設定をスマートフォンやタブレット経由で行うためにWi‒Fiを内蔵。これにより、太陽光発電設備のセットアップの簡易化が実現する。
 豊原セールスダイレクターは、「ゴルフ場跡地など、造成費を抑えつつ、目一杯パネルを並べたい場合や、工場や商業施設の屋上を活用したミドルソーラーなどに有効です」とアピールする。
 SMAジャパンは、『SunnyTripower60』を7月に、『SunnyTripowerCORE1』を9月に出荷開始する予定である。

手厚いサポートと異例の過積載保証

 こうした魅力的な新製品を発売する傍ら、SMAはアフターサポートを強化、今年6月から『安心安全パッケージ』の提供を始めた。これは、20年に亘ってSMAがPCSを保証するエンドユーザー向けの有償サービスで、今回は内容を大幅に追加した。
 従来は、PCSがユーザー先で壊れた場合、すぐに代替品を送り届け、壊れた製品を回収するセンドバック対応のみであったが、今回は、これに、機器交換・修理の現場対応と災害補償を加え、すべて20年間サポートする異例の手厚いサービスである。
 豊原セールスダイレクターは、「これでエンドユーザーさんはほぼノーリスクになるでしょう」とし、「エンドユーザーさんと施工業者さんとのO&M(管理・保守)契約の内容によっては、PCSの取り換え作業は施工業者さんが行うケースもあります。この場合、保証限度額を上限に、出張作業料は施工業者さんに払われます」と説明する。
 この手厚いアフターサポートに加え、低圧発電所向けに展開を強める同社が打ち出したもうひとつのアプローチが、過積載保証だ。
 太陽光パネルの設備容量をPCSの定格出力の1.5倍以上にする過積載は、常識になりつつあるが、なかには過積載発電所でのPCSを認めないメーカーも存在する。というのも、過積載発電所でPCSを使用すると、定格出力時の稼働時間が長くなり、PCSの寿命が短くなりかねないからだ。
 そんななか、SMAは、定格出力3.5kW、4.5kW、5.4kWの単相PCS、『SunnyBoy』はどれも過積載率200%を、三相の25kW機は過積載率180%を保証したのだ。
 豊原セールスダイレクターは、「そもそも、当社のPCSは変換効率が高く、独自の冷却方式を導入しているので、構造上、熱の影響を受けにくいのです。過積載についてはすでに加速試験で20年間影響ないことを確認済です」と自信を見せる。
 このほか、SMAジャパンは、大型PCS『SunnyCentral』でも、1500Vに対応した特別高圧専用PCS2500kW機と『MVPowerStation』を18年初にも発売する。昇圧トランス、スイッチギアをコンテナに納めてパッケージ化したもの。大幅なコスト低減を実現した。

SMAジャパン株式会社
東京都港区芝3-23-1 セレスティン芝三井ビル8F
http://www.sma-japan.com

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