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九電が出力抑制実施 公平性の担保が課題

2018.10.30

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 10月13日から2日間、九州で太陽光発電の出力が抑制された。離島を除いて初となる。今後も電力需要の小さい時期に実施される見通しだが、公平性の担保が課題だ。(PVeye記者・岡田浩一)

 九州電力は10月13日と14日、九州本土で初めて太陽光発電所の出力抑制を行った。件数は非公表としたが、13日は320MW、14日は540MWに及ぶ太陽光発電所の出力を抑制した。
 太陽光発電の出力抑制は、春や秋など電力需要の低い時期の日中に太陽光発電の出力がピークに達し、需給均衡が崩れることで停電を引き起こす可能性があるとして、電力会社の判断で出力を止める措置である。
 今回の抑制対象は、住宅用を除く出力10kW以上の太陽光発電所で、旧ルール事業者と指定ルール事業者で区別はなかった。
 旧ルールとは、電力会社が出力500kW以上の太陽光発電所に対して年間30日まで無償で出力を抑制できるルール。九電管内では2015年1月25日までに九電から連系を承諾された発電事業者が対象だ。
 一方、電力会社が太陽光発電所の規模に関係なく、無制限・無補償に出力抑制できるのが指定ルール。九電管内では15年1月26日以降に九電から連系を承諾された発電所の事業者が対象となる。出力抑制に対応できる機器の設置が義務づけられている点も旧ルールとは異なる。
 出力抑制にあたって、旧ルールと指定ルールの事業者では、九電から受ける連絡方法など異なる点がある。旧ルール事業者は、出力抑制対応機器を設置していない場合が多く、前日に電力会社から電話とメールで抑制の連絡が入れば、翌日、自ら発電所まで赴いて設備を止めなければならない。今回抑制されたある旧ルール事業者は、「前日に突然連絡が入って、翌日遠方の発電所まで行かなければならず大変だった」と振り返る。
 一方、指定ルール事業者は、自動で抑制されるため、九電から連絡を受けることはない。事業者は遠隔監視装置で確認するほか、抑制の有無を判断する術はない。九電は両日とも原則9時から16時まで出力を抑制したが、指定ルール事業者に対しては、「遠隔制御が可能なので、少しでも制御量を少なくするため、需給を見ながら順次自動で解除した」(九電広報部)。だが、14日はこの解除システムに不具合が生じた。寸前に抑制が不要と判断された約3300件、出力計175MWの発電所に対して解除の指令が遅れ、30分間、誤って抑制してしまったのだ。
九電は不具合の検証を進めるようだが、補償などは考えていないという。

抑制は不公平!?

 むろん、無補償での出力抑制の受け入れは系統連系の条件だ。とはいえ、売電機会を失われる発電事業者としては、「事業者間の公平性は担保してもらえるのか」(地元の発電事業者)と、疑問を持つのは当然だろう。
 公平性については、経産省の専門会議でも議論され、指針こそ示されたが、ルールは明確ではない。九電は、「地域や発電所の規模、旧ルールと指定ルール事業者間で不公平が出ないよう、バランスを鑑みて抑制する」(広報部)というが、仮に回数を平等にしても、今回のように旧ルールは丸1日抑制され、指定ルールは途中で抑制が解除されるのであれば、平等とは言えない。
 一方で、透明性の確保も重要だ。発電事業者からは「具体的にどう公平性が担保されるのか、情報を公開してほしい」との要望が出ているが、九電は発電事業者が特定されることを危惧し、情報開示には慎重だ。
 出力抑制が実施されることで風評被害による市場への影響も懸念される。
 太陽光発電協会の増川武昭事務局長は、「特に住宅用太陽光発電においては、事情をよく知らないユーザーが抑制を心配して導入を断念するケースがある。情報発信や啓発活動に力を入れるべきだ」と語る。

対策は自家消費の推進

 出力抑制を俯瞰的に見ると、抑制の順番は電源ごとに決められている。電力会社は、まず火力発電やバイオマス発電を抑制し、次いで太陽光発電と風力発電を、最後に水力発電と地熱発電、そして原子力発電を抑制する。つまり原発による電力供給量が増えれば、太陽光発電が出力抑制される確率が高まるわけだ。
 原発の是非について意見は割れるが、国や電力会社が原発を推進しているのは事実だ。ならば、この制約の下で、太陽光発電をどのように普及させるべきか。
 そもそも太陽光発電には強みがある。系統に繋がなくても使える自家消費利用だ。自家消費すれば、出力抑制とも無関係になれる。我々は自家消費利用を推進すべき時に来ているのかもしれない。

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