有力EPC Looopの新戦略 斬新!メガソーラーのセット販売

2013.07.06

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 太陽光発電のEPC(設計・調達・建設)で実績を伸ばしているループ(東京都文京区、中村創一郎社長)が、このほど新商品を相次いで発売した。ひとつは〝メガソーラーの自作化〟という斬新な発想で商品化した『メガソーラーキット』。そして農業と太陽光発電の融合を可能にする『MY発電所キット空中型』だ。両商品のニーズは拡大しており、引き合いは急増している。

新発想でコスト低減

 「これは常識外の商品だ」。
 ループが5月7日に発売した『みんなで作ろう!メガソーラーキット』を見た業界関係者は驚きの色を隠せない。それもそのはず。メガソーラー開発は、用地の選定に始まり入念に設計したうえで部材を調達し、建設へと踏み切るもの。オーダーメイドで完成させるのが業界の常識だ。それを一式セットで部材を供給し、「みんなで作ろう!」とは、いまだかつてない斬新な販売形態である。
 だが当のループにとっては、従来実施してきたサービスの発展形に過ぎない。すなわち、太陽電池モジュールとPCS(パワーコンディショナ)、架台などをパッケージ化した同社の主力商品、『MY発電所キット』の大型バージョンなのである。もちろん、出力50kW未満の低圧線連系を前提とした従来品と比べ、今回は高圧線接続が伴うため、入念に検証を施してきた。それでも新企画の立案から僅か1ヵ月という短期間で商品化に漕ぎついている。
 では新商品『メガソーラーキット』とはどのようなものなのか。発電設備は、出力250Wの多結晶シリコン型モジュール(PIDフリー)4500枚と、出力500kWのPCS2台で構成した。ただし2台のPCSのうち、片方は490kWに出力を落として合計出力を990kWとし、電気主任技術者のいらない設備に仕立てている。架台は、自社開発した3段5列の単管埋め込み式架台を300セット。このほか接続箱20面、集電箱4面、キュービクル1基、発電量遠隔監視システム1基を組み込んだ。これらの必要部材を合わせて、価格は1億9800万円(税別)。工事費と配送費はこれに含まれないが、メガソーラーの建設費は現在2.5億~3億円が相場であるから、大幅な価格低減を実現したことになる。
 中村社長は、『メガソーラーキット』の特長をこうアピールする。「この製品を利用いただくと、商品の選定や技術検討などの期間を短縮できる。それによって初期投資は大幅に抑えられ、メガソーラー事業において高いコストパフォーマンスが得られます。もちろん必要に応じて当社は電気工事の依頼も請けますし、メガソーラー向けの土地の紹介もお手伝いさせていただきます」。
 同社は部材の供給に止まらず、顧客の要望に応じてEPCサービスも実施する構えだ。設計から電力会社との系統連系協議や施工、そしてO&M(オペレーション&メンテナンス)に至るまでサポートする。同社のEPC費用は3000万円からとしている。

徹底した品質管理

 こうしたコスト低減を進める傍ら、ループは製品の品質も追求している。そのひとつがモジュールの自社ブランド化だ。同社は、昨年からモジュールのメーカーポジションという立ち位置で、委託製造先のモジュールメーカーとともに製品に対するメーカー責任を負っている。独自の技術基準を設け、委託製造先に対して品質管理の徹底化を促し、とくに厳格な検査体制を敷く。
 たとえばEL検査は、初期・中期・出荷前の3回を必須とし、出荷後も国内の第3者検査機関で再チェックする。委託製造先に対し、検査機器を指定し、湿度や温度、負荷といった検査条件まで細かく規定している。PID対策も独立した検査体制を設けるという徹底ぶりだ。
 中村社長は「全量売電ビジネスとは、20年間太陽光発電所が発電し続けることが大前提。当社は発電の根幹であるモジュールの長期信頼性は最重要事項と考えています」とし、「お付き合いさせていただいているのは、原則としてセルから一貫生産されているモジュールメーカーです」とも語る。
 一方、モジュールを支える架台の耐久性にも気を配っている。同社の架台はコンクリート基礎ではなく、施工性を高めた単管埋設式(コンクリート基礎、スクリュー基礎はオプションで対応)。それだけに、支柱の鋼管は強度の高いものを採用し、風圧に耐え得るように地下1.5mまで埋め込む構造にするなど、随所に工夫を凝らしている。

業容拡大で急成長

 今回の『メガソーラーキット』の販売開始は、同社にとって大規模太陽光発電への本格参入という意味合いもある。しかしそれは、新規分野への果敢な挑戦というよりも、従来の事業の延長線上であり、ある種必然の展開といえよう。
 これまで同社は、『MY発電所キット』の販売を軸に、中小規模の案件に傾注してきた。着々とEPCの実績を重ね、同商品の設置数はすでに全国120ヵ所以上にのぼっている。その過程で、昨年からメガソーラーも受注するようになり、その数が徐々に増えていった。自ずと大型案件の施工ノウハウも修得していく。まさに機が熟していたのだ。
 ただ、大規模発電所の建設を希望する顧客に対しては、価格も含めて商品内容をより明瞭に説明する必要があった。そこでメガソーラーをパッケージ化して分かりやすいものできないか。『メガソーラーキット』の商品化にはこのような経緯があった。
 中小規模からメガまで業容拡大に動く同社は、取り扱い金額も増えていく。それは業績に反映され、創業3期目に当たる今期(2013年4月~2014年3月)の売上高は、対前期2.5倍増の50億円を見込んでいる。

次なる社会貢献

 一方、同社は太陽光パネルの下で作物を栽培するという〝ソーラーシェアリング〟の可能性を追求してきた。ソーラーシェアリングの第一人者はCHO技術研究所の長島彬所長であるが、同社も部材供給の立場からこうした新しい動きを見据え、開発に力を入れてきた。その取り組みがここに来て漸く実を結んだ。
 3月31日、農林水産省は、これまで農地転用にあたるとして認めていなかった農地への太陽光パネルの設置を認める決定を下し、その際の許可条件を公表した。太陽光発電による売電事業と農業を同時に行なう事業環境が法的に整備されたのである。
 農地に太陽光発電設備を導入するには、パネルを支えるための支柱と架台を農地に設置する必要がある。農水省は、農地の上部空間にパネルを乗せるための支柱は農地法の適用を受け、一時許可転用の対象になるとした。
 一時転用は3年以内で、下部の農地で農業生産が支障なく継続され、また周辺の営農に影響を与えないことが条件となる。さらにパネルを支える支柱は簡易な構造で直ぐに撤去できるものとされた。
 こうした動きに合わせて、ループは『MY発電所キット空中型』という新商品を発表した。これは架台の構造を工夫して、地上から数m上空にパネルを設置できる。作物によって必要な日射量が異なるため、設置後、営農者が日射量を調節できるように、パネル同士の間隔を自由に空けることができる仕組みを施した。なお、同商品(出力12kW)150㎡あれば設置可能だ。
 農水省の決定に対して、中村社長はこう見解を述べた。「農水省は農業再生に向け、様々な施策を実施してきたようですが、農業で生活できないという現実はまだ改善されていません。担い手は不足し高齢化が進み、日本の農業は存亡の淵に立たされています。だが今回の法的対応は農業に一条の光明を齎した。たとえば日本でも有数の日射量を誇る山梨県甲府市に設置した場合、年間約52万円の売電収入が見込める。この売電収入が農業経営を下支えし、農業衰退に歯止めをかける妙策となり得るからです」。
 「私は日本の農業の将来を担われている大規模専業農家の方々に当社の商品を検討いただければと思っています。『メガソーラーキット』と『MY発電所キット空中型』を組み合わせて日本の農業再生に貢献できないかと、新商品の開発を進めています」。

〝自宅の庭で売電を〟『MY発電所キット』 6.24kWシステム新発売

 ループは今年7月、一般家庭向けに出力6.24kWの地上設置型の太陽光発電システムを発売する。主力商品『MY発電所キット』の小型版で、一般家庭の庭などに簡易に設置できるシステムだ。7月24日に開催される太陽光発電の展示会『PVジャパン』で初披露する。
 新商品は太陽電池モジュールとPCS、架台などをパッケージ化した地上設置型の太陽光発電システム。出力260Wのループ製モジュール24枚と出力5.5kWの田淵電機製PCS1台、ループ製架台、モニタリングシステムなどで構成される。モジュールは、単結晶シリコン型と多結晶シリコン型を取り揃え、顧客が選択できるようにした。
 注目すべきは同システムの価格だ。単結晶モジュール搭載モデルが148万円(税別、送料別)でkW単価23万8700円、多結晶モジュール搭載モデルが138万円(税別、送料別)でkW単価22万2500円と相場よりも格段に安い。
 全量売電マーケットの拡大に伴い、一般家庭で全量売りを始めようと試みるユーザーが増えている。ただそのほとんどが、屋根の設置面積が限られ、断念せざるを得ないようだ。そこで同社は、『MY発電所キット』の小型版を商品化し、コストパフォーマンスの高いシステムを提供することによってこうしたニーズに応えた。
 屋根に4.5kW以上の住宅用太陽光発電システムを据付けて庭に同社の6.24kWシステムを設置できれば、トータルで10kWを超え、全量売電が可能になる。
 中村創一郎社長は新商品についてこう語る。「今回はコンシューマ向けの製品です。当社の『MY発電所キット』をより多くの方々に、様々な用途で活用いただければという考えで商品化しました。とくに気を配った点は、周辺の木や建物などの関係でモジュールに影がかかり、発電に影響がでてしまうこと。そこでマルチストリング方式のPCSを採用しました」。
 マルチストリング方式とは、田淵電機が開発した技術。太陽電池モジュールで発電した電気の受け入れ口を、独立に複数設けて、それぞれにMPPT(=Maximum Power Point Tracker)機能付きのDC/DCコンバータで昇圧できる機能である。受け入れ口には、それぞれ電力を最大限取り入れる機能があるため、ストリングごとに異なるモジュールを併用しても1台のPCSで対応できる。太陽電池モジュールに影がかかったり、障害物が存在したりしても、PCSの受け入れ口はストリングごとに独立しているため、発電量の低下を最小限に抑えることができる。
 中村社長は、「当社のシステムは自信を持ってご提案できる商品です。お売りいただける代理店さんを募集しています」。

株式会社Looop
〒113-0033 東京都文京区本郷4-1-4 常和本郷ビル8F
TEL:03-5802-6210 FAX:03-5802-6176
HP:http://looop.co.jp/

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