保守・点検 ガイドラインまとまる
JEMAとJPEAが公開
今年4月1日の改正FIT法施行に伴い、保守・点検が義務化されるが、その指針の一つとなる民間主体のガイドラインがこのほど取りまとめられた。昨年末、事務局を務める日本電機工業会(JEMA)と太陽光発電協会(JPEA)がそれぞれホームページ上に公開した。
JEMA及びJPEAは12月28日、技術資料として『太陽光発電システム保守点検ガイドライン』を制定、同日付で一般公開した。同ガイドラインは、長期安定発電の実現を目指し、策定されたもの。FIT法の改正を受け、昨夏に公布された関連省令において、発電事業者は発電設備の保守・点検を含めた長期にわたる事業実施計画の策定・遵守が認定要件の一つと定められた。それらを具体化すべく、国による事業計画策定ガイドラインとともに民間主体の保守・点検ガイドラインづくりが始まっていた。
両団体が公開したガイドラインは、直流1500V以下の全ての太陽光発電システムが対象。国内法における保安上の責任分界点を考慮し、パワーコンディショナから先の交流側は規定していない。
JEMAやJPEAの技術資料のほか、委員長原案として昨年発行されたIEC62446‐2をもとに作成された。JPEAの茅岡日佐雄企画部長は、「国の事業計画策定ガイドラインの道標となることも踏まえて経済産業省など関係各所とも相談しながら策定した」と話す。
JIS化を想定し、本文はIECに沿った文書形式となっているが、日本特有の事情にも配慮。逆流防止ダイオード関連の記述を厚くしたほか、国内法との整合性に関する点や電気安全上の考慮点を加えるなど、解説や附属書を充実させたという。ただし、ガイドラインの解説においても、『保守点検を実施する専門家を対象とした記載』と記述しており、あらゆる発電事業者が簡単に理解できるものでもないようだ。
茅岡部長は、「一定の知見を有する方々が今回の法改正で義務化される保守・点検を行ううえで参照してもらうガイドライン。知見や技術、経験などによって読み解き方は異なるだろう」としたうえで、「保守・点検に関しては地方自治体からの講演依頼もある。必要があれば、説明の場を設けることなども検討したい」と話した。
なお1月13日には、経産省資源エネルギー庁新エネルギー課が事業計画策定ガイドライン案のパブリックコメントの募集を開始。2月11日まで意見を募っている。