サイボウズ、業務用クラウドサービスを遠隔監視システムに活用
工程・保守管理と連携可能に
サイボウズ(東京都文京区、青野慶久社長)は、太陽光発電所において、業務用クラウドサービスである『kintone』の活用を提案している。発電所の遠隔監視システムに、日常の工程管理や保守管理などに使用できる同サービスを組み合わせられる点が最大の特徴だ。
同社の提供する『kintone』は、ユーザーでカスタマイズできる業務用クラウドサービス。工程管理や顧客管理などに活用されることも多い。そのクラウドサービスを遠隔監視システムに付加することによる効果の一つが、工程管理などと同じ画面上で発電所の監視状況を確認できること。画面上に提示するデータ形式や更新間隔は調整する必要があるが、日射量や発電量などを確認することが可能となる。
社長室の野水克也フェローは、「発電が止まれば、警報が届くのでわかるが、少し発電量が落ちただけだとなかなかわからない。日常見ている工程管理などと同じ画面で見られるようにすることで、見落とすことも減り、予兆も察知できるのではないか」と話す。
同サービスが太陽光発電所の遠隔監視システムと連携した初めての案件は、横浜環境デザイン(YKD)が発電事業者兼EPC(設計・調達・建設)を担った千葉県八街市の820kW発電所。遠隔監視システムについては、サイボウズがクラウド基盤を提供し、ニシム電子工業がカスタマイズした。パワーコンディショナと気象計のデータを取得し、3G回線を介してYKDが遠隔監視している。
「当社のサービスの強みは自由度が高く、かつ安いということ。クラウドサービスの使用ユーザーは約6千社で、安定性もある。遠隔監視システムの初期投資はいるが、ランニングコストとしてみると、価格競争力があると思う」(野水フェロー)。『kintone』の基本価格は、1ユーザー月額1500円(ただし最低5ユーザー以上)で、初期コストは不要だ。
野水フェローは、「複数箇所を一つに纏めることもできるうえ、工程のほか、保守管理とも連携させることが可能だ。遠隔監視メーカーなど、太陽光に詳しいパートナーとも協力できれば」した。