パネルモニタリングで不具合発見、国内でも実例
タイゴエナジー、14年20MW目指す
太陽光オプティマイザを用いたパネル単位での遠隔監視システムの導入が日本でも拡がりつつある。なかでも米・タイゴエナジーが日本市場での設置実績を伸ばしている。国内でも不具合発見の実例が報告されるなど、効果が実証され始めており、2014年は前年比2倍の20MW以上の導入を目指す。
一般的に太陽光発電システムにおいてストリングは、最も出力の低いパネルを基準として発電している。だが、同社のオプティマイザシステムは、最も出力の高いパネルを基準としてストリング単位で発電量を最適化している。それにより、影などの影響を最小限に抑え、発電量の最大化を実現できるのだという。遠隔監視も実施、パネル単位で出力や電圧、電流値を確認することも可能だ。
全量買取り制度が始まった日本でも導入が進んでおり、13年の合計設置量は10MW。それら稼働中の発電所では、すでに不具合の発見事例が複数報告されている。
例えば、熊本・津奈木の1.8MWメガソーラー。今年3月、遠隔監視をしていた同社システムがストリングの異常を発見、メンテナンス担当者が現地に行くと、接続箱がショートしていたという。一方、沖縄の18kW発電所(屋根上設置)では昨年7月、同社システムによりパネル1枚の出力低下を発見。電圧・電流値も他のパネルと比べて低いことを確認し、担当者が現場に駆けつけると、該当するパネルが割れていた。
「津奈木の原因はおそらく施工不良だろう。沖縄の事例では、隣にグラウンドがあり、パネルの傍には野球ボールが転がっていた。当社のシステムでないと見つけられなかったと思う」(タイゴエナジージャパンの汲川雅一ゼネラルマネージャー)。
さらに汲川GMは、「当社のシステムは不具合箇所を早期に見つけ出し、〝見えない機会損失〟を防ぐ。それに影などによるパネル出力のミスマッチも整える。例えば津奈木のメガソーラーは影の影響が大きく、導入することによる発電量の差は6%以上と想定している。この差によって、3年程度でイニシャルコストを回収できる見通しだ」という。
なお同社のオプティマイザシステムは、計測器であるマキシマイザをモジュール内部に搭載した〝スマートモジュール〟や、データ集約などを行うMMUをパワーコンディショナに内蔵した〝スマートインバータ〟としても登場。〝スマートモジュール〟については、中・トリナソーラーやジンコソーラー、アップソーラー、独・ルクサーソーラーなどが日本マーケットにも提案している。