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兵庫県で総出力16.8MWメガソーラー完成へ

ニッケが建設 除草に羊を活用

日本毛織(大阪市中央区、佐藤光由社長、以下ニッケ)は、兵庫県の社有地に建設していたメガソーラーの2期工事を完了させ、今年2月にも運転を開始する。第1期と合わせた発電容量はパネル出力16.8MW。除草に羊を活用する珍しいメンテナンス方式を導入し、話題を呼んでいる。

同社が兵庫県加美郡稲美町に建設した『ニッケまちなか発電所明石土山』は、保有不動産の有効活用の一環として、ゴルフ場を閉鎖し、メガソーラーを設置したもの。1期工事は、パネル出力11MW、PCS(パワーコンディショナ)出力9.9MWのメガソーラーで、2013年10月に稼働していた。

2期工事では、2つの発電所を建設。第2・第3発電所の合計パネル出力は約5.8MW、PCS出力は4.9MWである。今年1月末にも引き渡しが完了し、2月から正式稼働する。第1発電所と合わせると、パネル出力16.8MW、PCS出力14.9MWの大規模メガソーラーとなる。

いずれもEPC(設計・調達・建設)はゼネコン国内大手が担当、太陽光パネルは単結晶シリコン型、PCSは国内製500kWタイプを採用した。遠隔監視システムはストリング監視式を導入、ニッケグループのニッケ機械製作所がシステム選定やメンテナンスを、ニッケ不動産が管理業務で参画している。

人とみらい開発事業本部開発事業部不動産部の木村雅一不動産部長兼中部開発室長は、「当社も機器選定に携わり、複数社のなかから価格や性能面などを総合的に判断した。ゴルフ場跡地を整地しなかったので1~2mの起伏があるメガソーラーになった」と話す。

このメガソーラーの特徴は、六甲山牧場から羊を無償で譲り受け、除草作業に羊を活用していること。昨年10月に稼働した11MWのうち、約1MW相当の管理棟近くの約1.5haのエリアを低いフェンスで囲って羊3頭を放牧。羊がエリア内の草を食べて除草する。

同部の髙木大地氏は、「稼働前にトライアルを実施した。羊がパネルに上ったり、配線をかじったりすることはなかった。朝に放牧し、夕方小屋に戻す。羊の小屋は管理棟内にあり、地元住民に飼育面で協力いただいている」という。

木村部長は、「当社は毛織の会社で、グループ公式マスコットも羊のキャラクター。羊を活用した除草は費用面でもメリットがある」とし、「現在、羊は移動しながら順調に草を食べて除草してくれている。春から夏にかけてどのような効果があるか、しっかりと見ていきたい」と語った。

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