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米パワコン大手パワーワン、日本進出

大型機、10kW絶縁型 今年出荷へ

米・PCS(パワーコンディショナ)メーカー大手、パワーワンの日本法人であるパワーワン・リニューアブルエナジーソリューションズジャパン(東京都港区)は、出力700kWから1400kWのトランスレス型三相PCSと、同10kWの絶縁トランス内蔵型三相PCSを日本市場へ投入する。両タイプとも日本仕様を施し、大型機種は今年夏頃に、三相10kWタイプはJET認証取得のうえで、今秋の出荷を目指す。

電源機器メーカーである同社は、2008年頃から太陽光発電用PCS事業を本格化、欧米や中東、アジアなど、累計で10GW以上の実績を残してきた。12年のPCS事業を含むソーラーエネルギー事業の売上高は、前年比6.6%増の7億43百万ドル、インバータ出荷量は3570MWに達している。

原克己シニアセールスマネージャーは日本市場について、「以前からマーケティングを行い、参入へ向けた下準備を進めていた。そして、昨年夏の終わりには、日本法人の立ち上げに至った」と話す。

同社のラインナップする太陽光発電用PCSは、モジュール1枚毎に設置するマイクロインバータから住宅用の小型単相タイプ、出力10kWから1400kWの三相タイプまで幅広い。風力発電向けには、最大2.5MWタイプも揃えている。

製造工場はイタリア、米国、中国、カナダに位置し、年間能力はおよそ10GW。工場出荷までは8週間。日本向けには、大型機種と10kWタイプを供給する予定だ。

大型機種は、出力700kW、1050kW、1400kWの3種類で、直流電圧1000V、屋外仕様のトランスレス型を提案する。原シニアセールスマネージャーは、「電解コンデンサを使用しておらず、長寿命化を実現している。また、350kWずつのモジュール式のため、交換作業も容易だ」と特長を説明する。

一方、小型機種は、屋外仕様の絶縁トランス内蔵型三相10kWタイプを投入する計画だ。2つの独立したMPPT制御を搭載しており、発電量を最大化できるという。

原シニアセールスマネージャーは、「全てのPCSにおいて、単独運転検出機能など、日本の仕様に沿った製品を供給していく。大型機種は、Q2(4〜6月)後半には完成させ、出荷を開始したい。小型機種については、まずはJET認証を取得するつもりだ。秋口には市場に送り出したい」と語る。

今後は、「ニーズに合わせてラインナップを拡充していく。まずは日本での実績を積み重ねていきたい。世界2位の総合PCSメーカーとして、日本のユーザーに技術力や経験を提供していければ」と語った。

なお、パワーワンは今年2月、パナソニックと定置型蓄電システムやHEMS、太陽光発電などを連携させたエネルギーマネジメント事業を推進する戦略的協業契約を締結している。

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