日天、12年3月期2MW販売、卸販売強化へ
横浜のPV(太陽光発電)販売店である日天(本社・横浜市中区、髙瀨和明社長)は、2012年3月期の売上高が前期比66%増の約9億円に、販売容量は同185%増の2MWに達する見込みだ。前年度までは直接販売のみだったが、11年6月より開始した卸販売が増収に寄与した。
同社は09年4月、昭和シェルソーラー販売(現ソーラーフロンティア)の住宅用PVシステム小売直売部門から分離独立して設立。販売するシステムはソーラーフロンティアが85%以上と大半を占め、その他、三菱電機やパナソニックもラインナップする。代理店は現在約100社。
卸商社としての強みについて髙瀨和明社長は、「直販していることだ。代理店の気持ちが理解しやすいだけでなく、横浜グリーンパワー事業での2年間の経験など当社が持つ販売・施工のノウハウも提供できる」と語り、加えて「価格競争力や調達力もある」と自信を見せる。
13年3月期は、直販数を維持しつつ、卸販売を4倍に伸ばすとしており、件数にして1500件、売上高18億円を目指している。「CISの良さを販売店やユーザーに実感してもらい、1枚でも多く拡販したい。直販だけだと限界があるため、卸販売に注力している。ただ、直販はウエイトが減ってもやめることはない」と述べる。
また同社は独立電源用の小型モジュールも自社ブランドとして取り扱っているが、3月よりOEM先を変更し、多結晶シリコン型から単結晶シリコン型に切り替えた。これにより、性能アップに加え、コストダウンも実現した。
FIT(全量買取り制度)の開始も目前に迫る中、産業用PV市場については、「EPCやSIよりもIPP事業を行いたい。もちろんモジュール供給についても話があれば協力していきたい」と語る。