「メガソーラーはSMA製25kWで決まり」
三宅電気工事 山口浩司 統括部長
今後のメガソーラー建設では、中小型PCSの分散設置が主流になるでしょう。分散設置はPCSの台数が多く、ケーブルの数が増え、施工の手間もかかりますが、1MWあたりの施工費が100万~300万円上がる程度。総工費は2.5億~3億円ですから、微々たるものです。
これに対してメリットは大きい。最近は、近くに建物が立っていたり、木が生い茂っていたりして、夕方になるとパネルの一部に影がかかるケースが意外と多いのですが、大型PCSを使ってパネルを直列に繋ぐと、影のかかったパネルの発電低下に引きずられ全体の発電量が落ちてしまいます。分散設置は20~25kW単位の並列接続のため、影のかかったストリング以外のパネルはきっちりと発電します。トータルの発電量はそれほど落ちません。
ここでSMA製PCSを使えば、明け方や夕方などの低照度時の効率が高いため、1日の発電量は増えると思って間違いないでしょう。実際、25kWPCSを導入した発電所と、他の発電所で発電効率を比較すると、短期間の発電データですが、25kWPCSを導入した発電所の方が、約5%発電効率が高かったのです。
分散設置は、PCSの故障リスクを軽減してくれます。大型PCSが1台停止すると、復旧までに時間がかかるので大きな売電損失を被りかねないが、分散設置であれば、数十台が1度に壊れることはまずない。銀行もシビアに見ていて、分散設置の方が、融資が有利に運ぶようです。
SMAさんのサポートは充実しており、中小型PCSであれば、万が一故障しても迅速に代替品を届けてくれるので損失をミニマム化できます。日陰や塩害の影響を受けにくい25kWPCSは、山間部や海岸部にあったPCSだと思います。