Looop、新商品続々投入

低圧からメガまで全方位へ展開

新商品、『MY発電所キット72』の魅力

そのループがここに来て新たに商品化したのが、『MY発電所キット72』である。これまで販売してきた出力50kW未満のシステム、『MY発電所キット』の発展形だ。

PCS(パワーコンディショナ)の出力は9.9kW×5台の49.5kWとして従来品と同様の低圧システムであるが、モジュール出力を従来の50kW未満から72kWへ高めた。シミュレーション上の試算ではあるが、これにより出力50kW未満のシステムと比べて年間発電量は約1.4倍に増えるという。

モジュール出力とPCS出力が同じ場合、太陽光発電設備は、朝夕や曇りなどの日照量の少ない時間帯はモジュール出力がPCS出力の上限値を大きく下回る。そこで同社は、モジュールの最大出力をPCS出力の上限値よりも高くすることによって、より多く発電し、売電収入が増えるシステムを開発した。

「モジュール出力かPCS出力かどちらか小さい方が、その発電所の出力となるので、今回の新商品も低圧システムに変わりはない。重要なのは、カンカン照りの日のピークカット。モジュールの最大出力を高めると、当然PCSの上限値を超えた分の発電量は無駄になる。この無駄とモジュール出力を高めることによって得られる売電量の増加分を勘案して、最もコストパフォーマンスの優れたシステムに仕上げたのです」。

同社はモジュール出力72kWの『MY発電所キット72』に加え、同60kWの『MY発電所キット60』を発売。設置場所の日照量に応じて選択できるようにした。

価格は、『MY発電所キット72』が1250万円(税別)でkW単価は17.4万円。『MY発電所キット60』が1150万円(税別)でkW単価は19.1万円である。

商品開発のコンセプトについて中村社長は、「発電事業者さんの売電収入をいかに高めるかというのがひとつ。もうひとつが田淵電機製PCSの有効活用でした。このPCSには、モジュールの影や汚れによる発電量低下の影響を最小限にとどめるマルチストリング技術が搭載されています。これをフル活用して、パフォーマンスの優れたシステムを開発したのです」と語る。

ループは、『MY発電所キット』の販売を軸に中小規模の案件からメガソーラーまで業容を拡大させている。業績は急速に伸びており、創業3期目に当たる今期(13年4月〜14年3月)の売上高は、対前期2.5倍増の50億円を見込んでいる。

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