高島
集合住宅用PVシステム発売
住宅用PV(太陽光発電)システム販売最大手の高島(東京都中央区、高島幸一社長)は3月1日、独自ブランドのPVシステム『スマイルソーラー』の新型モデルを発売した。集合住宅を対象とした製品で、全国のホームビルダーや工務店など主要販売先を通じて拡販していく。
新製品は、新築の集合住宅を対象としたPVシステム『スマイルソーラー・Zシリーズ』。モジュールは今回も、中国・JAソーラー製の単結晶モジュールを採用したが、集合住宅向けに大型の出力245Wタイプを標準搭載した。パワーコンディショナは、田淵電機からOEM供給を受ける屋外設置型を選択。これに自社製の架台『スマートラック』で構成した。同システムは、J-PEC補助金の対象限度となる出力10kWを超えない範囲で設置する。
賃貸アパートなどの集合住宅にPVシステムを設置すると、日中の消費電力が比較的少ないため、一般住宅よりも余剰電力が多く発生し、売電効果が高い。また、戸建住宅に設置するPVシステムが平均で4kWであるのに対し、屋根面積が大きい集合住宅は10kW弱の設置が一般的。kW当たりの施工費が低減されるため、システム単価は低くなる。
高島は11年9月、大手総合商社の丸紅を通じて太陽電池セル。世界大手のJAソーラーからモジュールを調達する契約を締結。同年11月にはJAソーラー製モジュールで構成した新築戸建住宅用PVシステム『スマイルソーラー』の販売を開始した。
高島は、シャープやパナソニック、東芝、三菱電機など国内メーカーのPVシステムを扱い、既築住宅向けのPV販売では年間1万3千件、発電容量にして50MWと、国内トップの実績を持つ。その一方で、価格競争の激しい新築戸建住宅向けの販売にも力を入れており、コスト競争力のある商材を取り揃えた。
14年度には『スマイルソーラー』で年間40MW規模の販売を目指しており、全国の新築住宅向けPV市場の10%に相当する約1万戸へ販売する計画である。
同社の大畑恭宏常務取締役は、「成長を遂げるPV市場であるが、コスト競争が厳しいのも事実。しっかりとしたマーケット分析のもと、経営戦略を立てていく必要がある」とし、「当社は、既築住宅向けの販売に加えて、新たに新築住宅市場に展開した。今度は7月からFIT(全量買取り制度)が始まるので、産業用分野にも何らかのアクションを考える必要があるだろう」と冷静に語った。
なお、新築戸建住宅向けの『スマイルソーラー』は、変換効率15.3%のJAソーラー製単結晶モジュールとオムロン製パワコン、自社製の架台で構成。25年のモジュール出力保証と10年のシステム保証、10年の工事補償を行う。オプションで、モジュールの発電状況や消費電力をパソコンや携帯電話で確認できる『エコめがね』という製品を提供する。