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石塚硝子 廃棄パネル材から食器製造に成功

ガラス製品を製造する石塚硝子は2023年12月28日、廃棄された太陽光パネルのカバーガラスから食器を製造することに成功したと発表した。太陽光パネルの大量廃棄を見据え、実用化を狙う。

同社は、グループの北洋硝子が保有する青森市内の工場の食器製造窯でガラス原料に太陽光パネルの廃ガラスを混ぜて溶解、23年11月から1ヵ月かけて食器の製造に成功した。廃ガラスの混合比率の異なる5種類の食器を製造し、溶出試験などを実施して食器の安全性を確認した。

石塚硝子新事業・機能材料カンパニーイノベーション推進部新事業企画グループの両角秀勝グループリーダーは、「食器を製造するうえで安全性の確保は重要な要素。不純物が混じってない高純度なガラスが必要だ」と語る。

同社は今回、廃棄パネルを中間処理する新菱から太陽光パネル10枚分、約100kgの廃ガラスを調達した。

石塚硝子の両角グループリーダーは、「太陽光パネルの重量の約6割はガラスだから、これを再資源化できれば、ガラスの埋立量の削減に繋がる」としたうえで、「循環型社会の実現に向け、様々なパネルの廃ガラスで検証していく」と話す。

なお、同社は、愛知県が発足した『サーキュラーエコノミー推進プロジェクトチーム』の太陽光パネル循環利用モデルに参画。京セラや中部電力、浜田ら参画企業12社とともに、パネルの回収から再使用・再資源化まで体制の構築を目指す。

同社は太陽光パネルの廃ガラスを活用して食器を製造した

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