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PVeye 2016年7月号
特集「〝協創曲〟 を奏でる新楽団PVの奏者たち」
澄んだ音色で新しい世界観を描く若き楽団"PV"。
メンバーを多数加入して
FITという大舞台に臨んだが、どうしたものか。
時には"狂騒曲"を演じ、聴衆からヤジが飛ぶことも。
だが、めきめきと腕を上げた奏者がいる。
さあ新編成で"協創曲"を奏でよう。
電力というプロの世界を目指して。
〝協創曲〟 を奏でる新楽団PVの奏者たち
太陽光発電の累計導入量は今年2月末で26GWを超えたが、設備認定量は80GWに上っており、単純計算で50GW以上が未だに動いていない。そのうえ、系統制約 問題や国民負担の増大など、様々な課題が未解決のままだ。 そして6月3日。改正FIT法が公布され、新制度に移行することになった。少々、不協和音が目立って、〝狂騒曲〞を演じてしまっていたのか。ならば、これからは〝協創曲〞を奏でよう。すでに各事業領域には、創意工夫を凝らして、本気で太陽光 ビジネスに取り組むプレーヤーが存在する。では〝協創曲〞を 奏でるメンバーを紹介していこう。
〝協創曲〟 を奏でるために
改正FIT法
抑えておくべき3つのポイント
2016年度は現行FIT法最後の年。 来年4月から始まる改正FIT法に移行できない 認定設備の権利は失効してしまう。 〝協創曲〟 を奏でるために、改正FIT法のポイントを しっかりと理解しておこう。
①新認定制度創設
1つ目が新たな認定制度 の創設。ここでの最大の狙 いが滞留案件の整理だ。今回、旧来の設備認定を受け た案件も全て新認定を再取 得しなければならない。も し新認定を取得できない場合、認定が失効する。
②適切な事業実施の確保
さて改正FIT法のポイントに戻ろう。2つ目は、適切な事業実施を確保する仕組みの導入だ。長期安定 的な発電を実現すべく、運転中のメンテナンスを確実に促すもの。みなし認定案件もその対象となる。注目が集まるO&M(管理・保守)サービス事業にとっては追い風となるはずだ。
③コスト効率的な導入
ポイント3つ目がコスト効率的な導入。住宅用太陽光には価格低減スケジュールを示し、事業用太陽光で はトップランナー方式でさ らなる価格低減を促しつつ、 大規模案件には入札制を導入するというものだ。
「2050年、2100年に向けた
長期ビジョンを示していく」
太陽光発電協会(JPEA)
亀田正明 事務局長
トータルサービスプロバイダを
目指すアップルツリー
"信頼性"を追求する京セラ
1975年に太陽電池の研究開発を始めて以来太陽光発電のリーディングカンパニーであり続ける京セラ。"信頼性"を追求する姿勢は変わらないようだ。
[太陽電池モジュール]
主要メンバー勢揃い!?
ソリューション提案で太陽光システム進化中
太陽電池メーカー、いや太陽光発電システムメーカーと呼ぶべきか。この事業領域には太陽光市場で名の知れたメンバーが多く集う。それだけに太陽光ビジネスを続ける想いも強く、競争も激しい。
「日本のカスタマーとの信頼関係を
強固なものにしていく」
トリナ・ソーラー・ ジャパン
チェン・イエ(陳曄)社長
2015年にモジュール出荷量で2年連続世界トップを達成した中トリナ・ソーラー。2016年第1四半期 に前年同期比38.7%増の1.42GWを出荷し、通年では6.3~6.55GWを目指している。日本にも15年に約550MWを出荷し、存在感を増すトリナ。日本市場をどうみているのか。日本法人 のトップであるチェン・イエ社長に聞いた。
[パワーコンディショナ]
太陽光の心臓部
移りゆくPCS市場
太陽光市場が新時代へと向かうなか、PCS(パワーコンディショナ) 市場も変わり始めた。 太陽光発電所の心臓部を担うメンバーを追う。
新機軸打ち出す
キュービクル・接続箱メーカーたち
楽団〝PV〟には多種多様なメンバー が所属している。もちろんキュービ クルや接続箱を製販するメーカー もその一員だ。なかなか革新的な製品開発 やコストダウンが難しい領域ではあるが、新 機軸を打ち出すプレーヤーもいる。
日本での採用進む 中サングロウのPCS
PCS世界大手の中国・サングロウパワー サプライが日本での実績を伸ばしている。 2016年は100MW~200MWの出荷を 目指していたが、すでに「受注は100MWを超えた」 (サングロウジャパンの趙天工代表)という。
[IPP(発電事業者)]
発電事業者が示した 24円開発の打開策 電力会社による無制限抑制と買取り価格の減額改定で市場は停滞ムード。 収益性を見出せずに撤退する発電事業者も増えてきたが、 気骨あるプレーヤーは新規開発に意欲的だ。 彼らの創意工夫に迫る。
カナダ・ソーラーパワーネットワーク、
屋根貸し太陽光に一石
カナダの発電事業者、ソーラーパワーネット ワーク(東京都千代田区、ピーター・グッド マン社長兼CEO、SPN)は、日本で屋根 貸しモデルの発電所開発を進めている。2009年 にカナダで創業し、13年に日本に進出。これまでに 日本で200MW、カナダで150MWの計400件の 太陽光発電所を開発した。
[EPC]
狙うはキロ20万円 創意工夫のコストダウン
EPCが太陽光発電所の建設コストを低減できなければ、 新規開発は終息してしまう。 施工品質を維持しつつ、 イニシャルコストkW20万円以下がメルクマールだろう。 実現できるのか。
コナジージャパン 大髙秀幸社長
グローバル調達力が強み
24円メガ開発に積極姿勢
エコスタイル 木下公貴社長
〝アンダー50〟はまだまだ続く
コストの下げ代は充分ある
[架台]
長期安定稼働へ
架台・基礎メーカーの挑戦
FIT法改正の目的の一つは、 長期安定発電を促す仕組みの構築だ。 そこで経済産業省は電気事業法を見直す方針を掲げた。 架台・基礎メーカーはコスト要求に応えつつ 耐久性を担保しなければならない。 どう対応するのか。
[蓄電池]
2019年に向けて虎視眈々
3年内コスト半減は確実か!?
太陽光発電の自家消費利用を促すには、蓄電池が欠かせない。 だがコストの壁がある。蓄電池メーカーは市場の要求に応えられるのだろうか。
「車載用リユース蓄電池で、
コストの壁を打ち破る」
フォーアールエナジー
塩見達郎 取締役副社長
日産自動車と住友商事が共同出資で設立したフォーアールエナジー。 電気自動車のバッテリーを再利用して蓄電池の常識を塗り替えようとしている。 商品化への進捗を塩見達郎副社長が語った。
[O&M]
グローバル化の波!?
プロ化するO&Mプレーヤー
改正FIT法の成立で、 長期安定発電を促すために O&M (管理・保守) のガイドラインが示されることになった。 だが、 規制を強化するあまり 〝合理化〟への流れを削いでは意味がない。プロ化する主要プレーヤーの動きに迫る。
ファースト・ソーラー
O&Mに本腰
今秋日本で監視センター開設へ
太陽電池大手の米ファースト・ソーラー は、日本でのO&Mサービスに本腰を入れる。エンジニアを常駐させて、契約する発電所を24時間遠隔監視する管理センターを今秋にも開設する予定だ。
[遠隔監視システム]
受注争奪戦 激化の予感
〝故障予測〟で差別化
改正FIT法で太陽光発電所のO&Mが推進されれば、 監視システムの導入は加速するはずだ。 500kW以上に絞っても未稼動案件は33GW。 このうち相当数が頓挫するとの予想もあるが、 一定の潜在需要は見込める。 メーカーの受注争奪戦が激化しそうだ。
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「急激な変化は歪みを生む
もう少しペースダウンを」
横浜国立大学 大学院工学研究院 大山力 教授
6月3日に改正FIT法が公布された。太陽光は新たなフェーズに突入する。だが、全て解決したわけではないはずだ。エネルギー関連の有識者会議で委員を務める 横浜国立大学大学院工学研究院の大山力教授に話を聞いた。
PV発電所ファイル
DSパーク太陽光発電所
横浜環境デザイン
アフターFITへ前進
住宅用とO&M事業を強化
16 年5月期売上 83 億円に
FIT改正とともに太陽光市場は変わるが、
太陽光ビジネスは続く。太陽光のEPC
(設計・調達・建設)を手掛ける
横浜環境デザイン(横浜市港北区、
池田真樹社長、YKD) は着実に成長しながら、〝アフターFIT〟へ踏み出 した。
世界探訪編 中国・合肥
上海から500㎞ほど内陸に位置する中国安徽省合肥市。合肥市内から車を走らせること1時間半、車のクラクションが絶え間なく鳴り響く市内の喧噪と一変して、長閑な田園風景に包まれ、一瞬にして時代を遡ったような感覚に襲われた。
地域密着奮闘記
太陽光ビジネスで鎌倉の発展に貢献
サンエイエコホーム
武中進代表取締役
NPC、パネルのリサイクルに着手
太陽電池製造装置のエヌ・ピー・シー(=NPC、伊藤雅文社長)は 8月、リサイクル業を手がける浜田(濵田篤介社長)と合弁で 太陽光パネルのリサイクル会社を設立する。 NPCのパネル検査技術と、浜田が持つリサイクル業のノウハウを融合させた。 廃棄パネルの増加を見据え、事業体制の早期確立を目指す。
サカキコーポ、日射計の累計出荷2万台突破
ケミトックス、太陽電池IEC規格改訂セミナー開催
日独合弁のO&M企業が横浜に研修施設
NEDO、ドイツで自家消費 モデル実証開始
聖陽、売上10%増
ソーラープラザ、O&Mと資産運用の専門セミナー開催
中ジンコ、第1四半期 出荷量 1.6 GW
ラスコジャパン、新型簡易基礎8月発売へ
テラドローンが5月にサービスを開始
フューチャーシティソリューションズ、高圧向け遠隔監視導入強化
いまさら聞けない太陽光発電の基礎知識
第四回 太陽光発電の歴史【黎明期】
太陽光発電はどのように発展を遂げたのか。今回から4回にわた って太陽光発電の歴史を紐解きます。
1)オーエス、ソーラーシート搭載可搬型蓄電池発売
2)アブリテックジャパン、住宅用太陽光システム8月発売へ
新FIT法で早くもルール改定
運転開始に期限
パネル変更は旧規定に緩和
6月3日に公布された改正FIT法。来年4月の施 行に向け、制度設計の議論が始まったが、経済産業 省は今年8月1日以降の接続契約分から太陽光パ ネルを変更しても買取り価格の取り直しを求めない方針を 明らかにした。ルール変更に業界内が騒がしくなりそうだ。
世界市況データ(ポリシリコン、ウエハ、セル、モジュールのスポット価格)/
結晶系モジュール価格推移/世界太陽光関連企業決算データ
発刊日 | 2016年06月24日 |
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定価 | 1,940円 |
コード | 80109-6 4910801090666 01796 |