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PVeye 2021年5月号
特集「全解説! 非FIT モデル6選」
FITを活用しない〝非FIT〟のビジネスモデルが立ち上がりつつある。商機を秘める6つのモデルを選び、それぞれスキームを解き明かした。
2050年までのカーボンニュートラル(人為的な温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現には、再生可能エネルギーのさらなる導入拡大が欠かせない。とはいえ、いつまでもFITに依存するわけにもいかない。すでに再エネ企業がFITを活用しない〝非FIT〟のビジネスモデルを構築し始めている。脱炭素経営を目指す企業の増加やFIP(フィード・イン・プレミアム制度)の開始を控え、徐々に具現化しつつある。なかでも有力視されているのが、次の6つのモデルだろう。
1 全量自家消費モデル 難易度[ ★ ★ ]
2 オンサイトPPAモデル 難易度[ ★ ★ ★ ]
3 自己託送モデル 難易度[ ★ ★ ★ ★ ]
4 オフサイトPPAモデル 難易度[ ★ ★ ★ ★ ]
5 発電事業モデル 難易度[ ★ ★ ★ ★ ]
6 小規模電力網モデル 難易度[ ★ ★ ★ ★ ★ ]
RE100電力、非FIT発電所のマッチングサイト開設
自己託送の事業化支援サービスなどを手掛けるRE100電力(香川県高松市、黒淵誠二社長)は2021年3月、非FIT再生可能エネルギー発電所専門の取引支援サイトを開設した。非FIT発電所を開発・建設したい再エネ事業者と、非FITの再エネ電力を調達したい電力消費者や新電力会社などとの取引を仲介する。
「予測誤差の原因は日射予測 日影にも注意」
産業技術総合研究所
エネルギー・環境領域再生可能エネルギー研究センター
太陽光システムチーム
大関 崇 研究チーム長
非FITモデルを構築するうえで必要となる太陽光発電の予測とは、どのような技術なのか。産総研太陽光システムチームの大関研究チーム長に聞いた。
1 全量自家消費モデル
始めやすい入門編 負荷追従は必須か
全量自家消費は、最も取り組みやすい非FITモデルだ。客先の電力代削減効果も高い。機器をうまく活用しよう。
2 オンサイトPPAモデル
進む事業化 導入拡大の兆し
非FITモデルの代表格、オンサイトPPAが脱炭素化を背景に認知されつつある。参入企業が増え、導入が加速するかもしれない。
「“屋根置き”は賃貸借契約で担保しよう」
TMI総合法律事務所
深津功二弁護士
オンサイトPPAモデルの留意点は何か。再エネに詳しいTMI総合法律事務所の深津功二弁護士に話を聞いた。
3 自己託送モデル
注目の遠隔自家消費も 普及は限定的か
遠隔地の太陽光発電設備から電力系統を介して自家消費する自己託送。大手企業が取り組み始めているが、普及するのかは未知数だ。
日新電機、自己託送用EMS開発
予測、計画策定、制御を自動化
自己託送制度の活用に当たって電力消費者がやるべき業務は多い。そこで重電機器製造の日新電機は自己託送に必要な作業を全て自動運用するEMS(エネルギー管理システム)を開発した。発電量予測から託送計画の策定、同時同量制御まで1台で賄うという。
「多様化する再エネ市場で、最適解を導き出していく」
FD 鈴木政司 社長
全量自家消費からオンサイトPPAや自己託送まで。愛知県刈谷市のEPC企業、FDが非FITモデルで太陽光発電所の開発を進めている。同社の強みとは。
4 オフサイトPPAモデル
開花目前!非FITの有望株
非FITモデルのなかで、いま最も期待値が高いのは、オフサイトPPAだろう。着々と具現化しつつある。
5 発電事業モデル
高まる非FIT再エネ需要 企業連携で事業化へ
FIT時代より格段に難しい非FITの発電事業モデル。翻せば再エネ企業の腕の見せ所でもある。
6 小規模電力網モデル
事業化へ課題は山積 難易度の高い上級者モデル
再エネの地産地消や地域レジリエンスの強化に繋がる小規模電力網モデル。その意義は大きいが、実証試験の段階でも課題は多く、難易度は高い。
負荷追従から蓄電制御に発電予測まで
高機能化に挑む遠隔監視メーカー
FITが収束に向かうなか、遠隔監視装置メーカーに求められる製品やサービスが変わりつつある。メーカー各社はどのような方針で製品開発を進めていくのか。
旧ルール発電所のオンライン化に商機
2015年1月25日までに電力会社に接続契約申込届を受理された出力500kW以上の太陽光発電所、いわゆる〝旧ルール〟発電所を〝オンライン化〟する動きが盛んだ。
遠隔監視装置メーカーにとっては商機となりそうだ。
FIT終了後も有望!? 未設置の低圧設備を狙え
2020年度から新規開発する低圧太陽光発電所がFITによる全量売電の適用外となった。だが、依然として、遠隔監視装置メーカーの低圧市場に対する期待は小さくない。稼働済み案件の潜在需要が大きいからである。競争はまだ続きそうだ。
新電力大手が経営破綻 市場価格暴騰の影響続くか
新電力大手のエフパワーが経営破綻した。今冬のJEPX価格暴騰が尾を引き、今後も新電力会社の倒産が続きそうだ。
ウエスト、非FITモデルで電力会社と相次ぎ提携
太陽光発電所建設の国内大手、ウエストホールディングスが、電力会社と相次ぎ提携した。長期に亘って非FITの再エネ電力を供給していく構えだ。
営農用太陽光に規制緩和 8割要件が一部で撤廃
営農用太陽光発電の事業者が荒廃農地を利用する場合、8割収量の義務が撤廃される。農水省は荒廃農地の活用を促す狙いだ。
Vol.60 宮古くざかいソーラーパーク
「自家消費や屋根上設置に軸足
住宅用新パッケージも発売」
カナディアン・ソーラー・ジャパン
山本豊 社長
太陽光パネル世界大手のカナディアン・ソーラーは、日本向けパネル販売量でトップ3に入り続ける。販売部門の日本法人を率いる山本豊社長に話を聞いた。
デルタ電子赤穂エナジーパーク[兵庫県]
地域と共生する赤穂の分散メガソーラー
模様つき太陽電池が登場 日本ペイントACとトヨタが共同開発
太陽電池に色や模様を加えるフィルムが開発された。実用化されれば、太陽電池が至るところに設置されるようになるかもしれない。
日揮、モンゴルで蓄電設備併設メガソーラーのEPCを受注
東急パワーサプライ、住宅に太陽光+蓄電池を無償設置へ
アクティオ、レンタル用のオフグリッドハウス開発
丸紅エネブル、ジンコソーラー製蓄電池7月販売開始へ
米テスラ、群馬県の宿泊施設に蓄電設備を納入
ニチコン、蓄電設備のAI自動制御開始
ネクストエナジー、日本ガイシと提携
エコロミ、独立型電力設備を発売
第22回 新電力の容量市場対策②
効率的な需要平準化の方法
新電力コンサル、アンプレナジーの村谷社長による本連載。前回に続き、新電力会社の容量市場への対応策について解説する。
第8回 住宅用蓄電設備
読者のお悩みにお答えする本連載。今回のテーマは住宅用蓄電設備の販売である。
Q、ハイブリッド型の蓄電設備が主流だが、ハイブリッド型を扱うべきか悩んでいる。
Q、全負荷対応型が増えているが、提案する際に何に気をつけるべきか分からない。
Q、顧客に販売した蓄電設備が故障した場合、どのように対処するべきか分からない。
Q、蓄電設備を廃棄したいという顧客の要望にはどのように応えるべきだろうか。
Q、自動制御機能付きに経済メリットはあるのか。
パナソニック
持ち運べる独立型蓄電池発売へ
ジンコソーラー
182mm角ウエハ採用の
小型パネル発売へ
第12回 カーボンプライシング
今回は、脱炭素社会の実現を目指す政策手段であるカーボンプライシング。基礎知識をまとめた。
世界市況データ(ポリシリコン、ウエハ、セル、モジュールスポット価格)/ポリシリコン生産能力ランキング/日本卸電力取引所におけるスポット市場の平均取引価格推移/ 東証インフラファンド市場における上場銘柄の株価推移/世界太陽光関連企業 決算データ
発刊日 | 2021年04月24日 |
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定価 | 1,980円 |
コード | 80109-4 4910801090413 01800 |