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[特別対談番外編]PV企業の使命 太陽光発電技術研究組合(PVTEC)桑野幸徳名誉顧問×ESI土肥宏吉社長

2017.07.25

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 ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥宏吉社長による特別対談。今回は、研究開発から市場形成まで日本の太陽光発電産業の基盤を築いたPVTECの桑野幸徳名誉顧問をお迎えして、PV企業の使命とは何か、考察を深めた。

土肥氏●桑野さんは、アモルファスシリコン太陽電池の工業化や高効率太陽電池『HIT』の開発など、研究開発において多大な功績を残されましたが、その一方で、2000年から5年間は旧三洋電機の社長として経営の舵取りをされ、過去最高の好業績を上げられたと聞いています。
 そこで今回は、桑野さんのお話をお伺いすることによって、日本の太陽光関連企業は今後何をなすべきか、PV企業の使命というテーマで考察を深めたいと考えています。と申しますのも、最近は、太陽光事業から撤退される企業が増えていますし、撤退しないにしても、太陽光事業に明るい未来を描けない経営者が多いようなので、そのような方々に何かお伝えできることがあればと思うからです。

桑野氏●確かに、企業に活力がなければ、技術革新や産業の発展は望めませんからね。ただ、私は40年以上前から太陽光発電に関わってきたので、過去と比較すると、現在は非常に恵まれていますし、ビジネスチャンスが多く溢れているように思えてなりません。
 太陽光発電は1973年のオイルショックをきっかけに国家プロジェクトとして普及させていこうということになりました。石油価格が高騰し、日本経済が疲弊したので、エネルギー安全保障の観点から代替エネルギーの普及を目的に74年サンシャイン計画が発足、企業は研究開発に力を入れるようになったのです。
 当時、太陽光パネルのW単価は2万円でしたから、現在の500倍ですよ。それでも太陽光発電設備を一般の電力源として活用できるものにしようという目標を立てたのですから、何よりもコスト低減と変換効率の向上が喫緊の課題でした。
 そこで、日本の大手企業は太陽電池の開発を始めたのですが、なかなか上手くいかず、結局、数年後には多くの企業が撤退しました。残ったのは、関西系のメーカーで、私は三洋電機に所属し、粘り強く太陽電池の研究に携わっていました。しかしどうしても、電力用までコストを下げるというのは不可能でした。収益の見込みのない研究開発をいつまでも続けることはできませんから、もはや撤退か、というところまで、追い込まれたのです。

土肥氏●しかし79年に、桑野さんは、アモルファスシリコン太陽電池で世界初の工業生産方式を確立するという偉業を成し遂げられました。サンシャイン計画が発足してから5年後のことです。そして翌80年には、電卓や時計にアモルファスシリコン太陽電池を搭載し、事業化に成功。旧三洋電機の太陽光電卓やソーラー時計はいまだに色褪せないヒット商品です。まさに起死回生の研究開発と事業化という奇跡が起こったということでしょうか。
 電卓や時計に太陽電池が搭載され、普及したことによって、「光があたると発電する」という太陽電池の基本概念が国民レベルで浸透しましたから、革命だったと思います。あの快挙がなければ、後の太陽光発電の発展はなかったといっても過言ではありません。

桑野氏●民生用太陽電池は、パナソニックのもとで事業が継続され、あと数年で40年になりますが、いまなお事業として成立しています。これは、乾電池から太陽電池に取って代わったということですが、さらに深く見れば、太陽光という、どこにでも無尽蔵にあって誰もがタダで手に入れられる資源、これを電力に変換できる点において、太陽光発電は電源として最も有効であり、普遍性を帯びているということなのです。
 CO2排出はゼロですから、太陽光発電は、エネルギー問題だけでなく、環境問題の解決にも寄与します。だからこそ、半世紀近く国は太陽光発電を支援し続けてきましたし、それは今後100年以上経っても揺らぐことはないでしょう。
 そう考えますと、PV企業の使命とは、太陽光発電の普遍的な価値を信じ、迷うことなく、コスト低減や長寿命化への開発を進めていくことではないでしょうか。特に日本のメーカーの歩むべき方向は、長寿命化だと思います。太陽光発電を20年ではなく、30年、40年、あるいは50年持つ電源にするのです。そしてその価値を広めることができれば、存続できるはずです。

土肥氏●いま、日本でも自家消費のマーケットが創出されつつありますが、ドイツでは、FIT売電から自家消費に一変しました。この流れは世界的な潮流でしょう。そして、このフェーズになると、長寿命化という価値が、認知されやすい環境になると思います。というのも、ユーザーは、「FITを活用してできるだけ多くの電力を売る」のを止め、「できるだけ多く電気代を削減する」ようになりますから、自ずと長く発電し続ける設備を求めるようになると思うからです。
 桑野さんがおっしゃるとおり、メーカーを始め、施工・販売会社、あるいはO&M(管理・保守)企業まで、長寿命化という価値を広め、日本の太陽光発電の技術を高めていく。それがPV企業の使命なのかもしれません。
 本日はありがとうございました。

ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション
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