太陽光発電の専門メディア PVeye WEB

Daily eye

認定遅れ深刻 中小販売店が悲鳴

2017.10.01

PVeye

認定の回答遅れがいよいよ深刻だ。経産省は7月に人員を増強し、審査を早めているが、回答遅れの影響が尾を引き、施工・販売店が悲鳴を上げている。(PVeye記者・平沢元嗣)

 「例年通りいけば、毎月60件住宅に太陽光発電設備を販売できたはずだ。だが、今年は4月から7月まで工事が一切できなかった。経産省のせいだ」。
 四国の販売店の幹部は怒りを露わにする。無理もない。1棟当たりの売上を150万円とすれば、3.6億円の事業損失になる。財務基盤が脆弱な施工・販売会社にとっては一大事だ。
 岡山のあるEPC(設計・調達・建設)企業の社長は、「回答遅れの影響で、進めていた商談がキャンセルになることもあった。回答遅れのせいで4~5億円の売上を失ったと思う」と肩を落とす。
 むろん経産省からの回答を待たずに着工すれば、完成後に代金を請求できる。だが、顧客は売電収入がないなかで融資を返済しなければならない。顧客に配慮する施工・販売店ほど、工事に踏み切れず、疲弊しているのだ。
 新築住宅向け太陽光発電では、設備を設置した住宅オーナーに影響が出始めた。ハウスビルダーや工務店は、太陽光発電設備を搭載したうえで新築住宅をオーナーに引き渡しているが、彼らの本業はあくまでも住宅販売。認定遅れのために住宅の引き渡しを延々と先延ばしにすることなどできない。
 「なかには、経産省の回答を待たずに設備を設置して住宅を売り渡す工務店もある。それによって、売電できないままローンの返済が始まった住宅オーナーが増えてきた」(九州の販売・施工店)。
 一方、FIT法の改正以前に認定を取得した案件に対する、みなし認定の回答遅れも深刻だ。南九州の大手販売店は、既存顧客のみなし認定移行手続きを代行するため、1000件以上の顧客とやりとりしたところ、往復の郵便代が50万円を超えたという。担当者は「9月上旬で95%以上申請は済んだが、4月から9月まで1円にもならない作業に追われ、本来営業するはずの社員が何もできずにいる」と嘆く。
 前出のEPC企業の社長は、「みなし認定の対応には5人がかりで丸6ヵ月かかった。1000件以上の顧客から資料を取り寄せ、なかには客先まで出向いたこともある。看板設置なども無償でやったため、人件費も合わせると1000万円以上の負担だった」と状況を語る。
 というのも、基本的にみなし認定の移行手続きは各社無償で行っている。有償で代行すると、行政書士登録が必要になるからであるが、そもそも顧客に追加費用を請求しにくいのだろう。ある販売店の部長は「OB客とのつながりが強固になると期待するしかない」とあきらめ顔だ。
 だが、これだけではない。みなし認定が厄介なのは、過去に住宅用太陽光発電設備を設置した施工・販売店が倒産している場合だ。住宅用オーナーのなかにはみなし認定手続きの代行業者がおらず、仮に代行業者を見つけても、書類が紛失し、申請できないものがいる。
 こうした事態を考慮し、経産省は、みなし認定手続きの締切りを1ヵ月後に控えた8月31日、10kW未満の設備に限り、締切りを12月末まで延長した。だが100万を超える住宅用オーナーの手続きを無事期限内に完了できるのだろうか。

エネ庁、人員倍増で審査遅れに対応

 そもそも、なぜ混乱が生じたのか。今年4月に改正FIT法が施行され、太陽光発電設備の認定ルールが変わったことが発端だった。
 経産省は、従来の簡素な認定ルールを改め、太陽光発電所の開発から建設、保守・管理、事業終了までの計画を事業者に策定させる事業計画認定に変更した。そのうえ、旧制度の下で認定を取得した事業者にも、9月30日までの事業計画届けの提出、すなわちみなし認定の手続きを求めた。
 しかしこれが審査の長期化を招く。経産省は、当初から多少の混乱を予想し、申請書類に不備がある場合を除き、確認完了まで1〜2ヵ月程度かかると見込んでいたが、2ヵ月を過ぎても一向に回答を出せなかった。
 6月19日、経産省は「申請項目や必要書類が増え、また電子申請システムを刷新したため、1件の審査に時間がかかる。申請不備も多く、審査期間が長引いている」と状況を報告し、「不備のないものでも3ヵ月ほどかかる」と発表した。
 では、現状はどうか。経産省再生可能エネルギー推進室によると、「7月から審査する人員を倍に増やして対応した。これによって、新規の事業計画認定は、10kW未満は概ね1ヵ月、10kW以上50kW未満は2ヵ月で回答できている。みなしは、電子申請であれば2ヵ月、書類の場合は手入力しなければならず一部は3ヵ月かかる」。
 それでも申請書に不備があると時間がかかるようで、実際「4月に申請した案件の回答が9月上旬に届いた」(発電事業者筋)といった声も珍しくない。
 一方、10kW以上の設備のみなし認定手続きが9月30日に期限を迎える点について、経産省は、「締切りは設けることに意味がある。提出が遅れても、即座に認定失効ではない。早く提出してほしい」としている。
 認定遅れは改善しているようだが、販売・施工店にとって半年の空白は大きい。下期は上期の受注残を捌く仕事に追われ、新規の注文が受けられなくなる可能性もある。今期の大幅減収は避けられない状況だ。

no image

2018.12.04

PVeye

中セラフィム、ベトナムに80MWパネル供給へ

 中国太陽電池製造セラフィム・ソーラー(江蘇州常州市、李綱総経理)は11月13日、マレーシアのEPC(設計・調達・建設)企業、ERSエナジーと太陽光パネルの供給契約を締結したと発表した。ERSらがベト続きを読む

2018.12.03

PVeye

自然電力ら、長野で新電力事業開始

 再生可能エネルギー開発の自然電力(福岡市、磯野謙代表)は11月27日、長野県小布施町に設立した新電力会社が事業を開始したと発表した。町内に設置した190kW規模の小水力発電所の電力を販売する計画。エ続きを読む

2018.11.30

PVeye

藤崎電機グループ元顧問が贈賄 徳島地検が起訴

 太陽光発電所を開発する藤崎電機グループの元顧問が贈賄罪で起訴された。メガソーラー建設地の農地転用で便宜を図ってもらうため、農業委員に100万円渡したとされる。同社は関与を否定しているが…。(PVey続きを読む

2018.11.30

PVeye

太陽光にアセス義務化も対象は限定的か

 環境省は、大規模な太陽光発電所の開発に環境影響評価を義務化する方向で検討している。周辺住民と事業者の摩擦を減らす狙いだが、対象の事業は限られそうだ。(PVeye記者・飯渕一樹)
続きを読む

2018.11.21

PVeye

未稼働対策案に 非難轟々

 「あまりに理不尽すぎる」。11月21日、衆議院議員会館で怒声が上がった。経済産業省による未稼働案件対策の問題点を指摘する会合でのことだ。主催した発電事業大手の山佐やアフターフィットはメディア関係者を続きを読む

2018.10.30

PVeye

九電が出力抑制実施 公平性の担保が課題

 10月13日から2日間、九州で太陽光発電の出力が抑制された。離島を除いて初となる。今後も電力需要の小さい時期に実施される見通しだが、公平性の担保が課題だ。(PVeye記者・岡田浩一)
続きを読む

2018.10.30

PVeye

国内大手が住宅用蓄電池から撤退 NECに次いで東芝も

 NECに次いで東芝が住宅用蓄電池事業に終止符を打つ。蓄電池需要の拡大機運が高まるなか、なぜ国内大手は撤退するのか。(PVeye記者・岡田浩一)

 「東芝の蓄電池は性能が続きを読む

2018.10.30

PVeye

中国ZTEクァンタムがドロン メーカー責任を放棄

 中国のPCSメーカー、ZTEクァンタムの日本法人が忽然と姿を消した。顧客サービスを停止し、一切の責任を放棄。販売代理店が困惑している。(PVeye記者・川副暁優)

 「続きを読む

2018.10.01

PVeye

北海道大停電で見えた太陽光発電の意義と課題

 北海道胆振地方を襲った大地震で全道が停電に陥る〝ブラックアウト〟が発生した。北の大地が闇に沈むなか、太陽光発電の意義と課題が示された。(PVeye記者・飯渕一樹)

 9続きを読む

2018.10.01

PVeye

大型台風が西日本を直撃 太陽光発電所が多数損壊

 9月4日に猛烈な台風21号が襲来し、西日本を中心に被害が拡大、太陽光発電設備の損壊事故が多発した。(PVeye記者・平沢元嗣)

 台風21号は8月28日の発生から急速に続きを読む

PR

  • 株式会社ウエストホールディングス

商品を購入するにはアカウント登録が必要です。

ログインID
パスワード

パスワードをお忘れの方はこちら

まだアカウント登録をされていない方は、お申し込み区分を選択し、新規アカウント登録をおこなってください。

法人 個人

16%オフ 年間購読の割引実施中! 購読お申込み

株価情報

PV銘柄株価ランキング TOP10(日本)

一覧

1 大東建託 13535.00
2 TDK 8750.00
3 東京エレクトロン 8743.00
4 ローム 8100.00
5 信越化学工業 8032.00
6 光通信 7800.00
7 ダイキン工業 7775.00
8 京セラ 6047.00
9 JCU 5480.00
10 オムロン 5150.00

PV銘柄株価ランキング TOP10(NYSE/NASDAQ)

一覧

1 3M Co 164.36
2 International Business Machines Corp. 158.50
3 Komax Holding AG 158.00
4 United Technologies Corporation 119.43
5 Siemens AG 107.85
6 Honeywell International Inc. 101.87
7 Pall Corporation 100.17
8 Illinois Tool Works Inc. 97.77
9 Littelfuse, Inc. 97.30
10 Nordson Corporation 75.41

PV銘柄株価ランキング TOP10(EU)

一覧

1 KSB AG 476.95
2 Linde AG 189.15
3 Air Liquide 120.70
4 Wacker Chemie AG 113.70
5 Henkel AG & Co KGaA 106.90
6 BASF SE 90.00
7 Arkema SA 73.16
8 KUKA AG 72.18
9 Aurubis AG 55.10
10 ASM International NV 42.90

PV銘柄株価ランキング TOP10(韓国)

一覧

1 LG Chem Ltd 235000.00
2 SK Holdings Co, Ltd. 164500.00
3 EO Technics Co., Ltd. 136100.00
4 Samsung SDI Co Ltd 132500.00
5 Oci Co Ltd 110000.00
6 Hyosung Corp 72200.00
7 LG Electronics Inc. 59700.00
8 Kolon Industries Inc 50000.00
9 Samsung Fine Chemicals Co Ltd 36150.00
10 SKC LTD 32750.00

最新号のご案内

2018年12月号

朝令暮改のFITルール 揺らぐ国内太陽光市場

詳細

太陽光発電の専門メディア PVeye e-book バックナンバー電子書籍サービススタート