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[特別対談第26回]高性能という価値 LGエレクトロニクスジャパン楠山恭央 Energy Business Part部長×ESI土肥宏吉社長

2018.07.01

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 ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥宏吉社長による特別対談。今回は、世界トップクラスの高性能パネルを量産する韓LGエレクトロニクスの日本法人でエネルギー事業部門を担当する楠山恭央部長だ。高性能という価値ついて考察する。

土肥氏●様々な外資系メーカーが日本に進出していますが、なかでも貴社の製品は非常に高性能です。品質重視の日本のユーザーと志向が合致して、受注が伸びているように思いますが、今回は、高性能という価値というテーマについて意見交換させていただければと思います。ではまず、現在の生産能力、製品のスペックなどから簡単に紹介してください。

楠山氏●親会社のLGエレクトロニクスは、韓国亀尾市に太陽光パネル工場を構え、セルからパネルまで一貫生産しています。年産能力はセルとパネルがそれぞれ1.9GWで、品目はすべて高効率な単結晶シリコン型です。全体の80%以上は、より高効率なN型単結晶型で、汎用的なP型単結晶型は300MW程です。
 製品のスペックは、裏面に電極を移すバックコンタクト技術を導入した60セル360W品が変換効率20.8%で、もうひとつの60セル335W品はパネル変換効率19.6%です。

土肥氏●なるほど、日本のメーカーを凌ぎ、世界トップクラスの非常に高いスペックですね。LGエレクトロニクスさんは電機メーカーですから、業態としても、日本のパネルメーカーと共通項が多いようにお見受けします。日本ではどのように販売されてこられたのでしょうか。

楠山氏●日本法人LGエレクトロニクスジャパンの設立は1981年ですから、もうすぐ40年になります。親会社LGエレクトロニクスの日本向け家電販売を長く担ってきたので、2010年に太陽光パネルの販売を始めた時は、家電の括りでパネルを住宅向けに販売していくつもりでした。ただ、その後FITが始まり、事業用太陽光の需要が伸びたので、そちらへ出荷するようになり、今の形になったという経緯があります。
 背景には、液晶や半導体、電子部品などで以前からお付き合いさせていただいていた大手商社さんの協力がありました。商社さんとは別部門でも、継続的に協業させていただいております。
 日本では15年から17年まで年間200MWずつパネルを出荷し、今年は270MWに増え、18年末で累計1GWに達します。大型プロジェクトに採用いただいた分が残っているので、来年は300MW程度まで増える見通しです。

土肥氏●貴社は世界で太陽光パネルを販売していらっしゃって、米国でも販路を築かれている印象があります。米政府によるセーフガード(パネルの輸入制限)の影響はあったのでしょうか。

楠山氏●当社は米国の住宅用市場でシェアを伸ばしましたから影響を受けました。
 17年は太陽光パネルの総出荷量が1.6GWで、米国向けが600〜700MW、日本と欧州がそれぞれ200MWずつで、そのほか、韓国、東南アジア、豪州という内訳ですから、米国は最大の出荷先でした。その米国への販路を絶たれるわけですから、影響は大きいと思います。ただ、韓国の市場も伸びていますし、その他の市場で需要を掘り起こして、影響を最小限に抑えていきたいと思っています。

土肥氏●日本では、どのような中長期戦略を描かれているのでしょうか。これから徐々に大型プロジェクトも減っていくでしょうし、一方で、FIT売電から自家消費利用へと市場は変化していくと思われます。コスト要求も厳しくなると思われますが。

楠山氏●大型プロジェクト向けの受注が残っているといっても、来年までです。その後は市場環境の変化に応じて、新しい販路を開拓していかなければなりません。当初描いていた家電の商流に乗せて住宅向けに展開するというのがひとつでしょう。もうひとつは、グループ内での連携や協業です。LGグループは、車載用の蓄電池など、様々な関連製品を生産しているので、グループ内の様々なリソースを活用してパネルを販売していくつもりです。

土肥氏●貴社は、家電の販売で築いたブランド力をお持ちなので、エンドユーザーは日本の大手電機メーカーと同じイメージを持つのではないでしょうか。その点、住宅用への展開も、他の専業メーカーと比べると、アドバンテージがあるように思います。
 ただ、やはり世界トップクラスの高性能が最大の武器でしょう。プロジェクトの評価でも、高性能で、パフォーマンスの高い貴社の製品は高評価です。市場が自家消費へ変化すれば、パネルは狭小な屋根上に設置される機会が増えるので、なおさら高性能、高効率は優位性を発揮するのでしょうね。

楠山氏●そういっていただけるとありがたいのですが、N型単結晶ウエハの供給量は物理的に少ないので、価格面で劣勢に立たされることもあります。とはいえ、これまで当社は、高性能、高効率という付加価値戦略で戦ってきたので、この路線は変えられません。高性能という価値を、今後も受け入れていただくために、どう提案していくべきか、環境づくりも含めてまだ課題はあると思っています。

土肥氏●確かに、太陽光パネルはコモディティ化が進んでいるので、今後も高性能で差別化を図っていくというのは簡単なことではないのでしょう。技術的にも常に先行していかなければなりませんし。ただ、希少性に対する魅力というものは普遍的です。とくに日本人はそれを価値に転嫁する傾向が強いので、高性能パネルの需要は廃れることはないように思います。貴社の取り組みに期待しています。

ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション株式会社
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