太陽光発電の専門メディア PVeye WEB

Daily eye

未稼働対策新ルールが決定 原案より大幅緩和

2018.12.28

PVeye

 12月5日、経産省は未稼働対策新ルールの概要を発表した。2MW以上の着工済み案件には新ルールを適用せず、対象の2MW以上の案件も、系統連系工事着工申込み期限を2019年8月末に延ばすなど、原案より大幅に緩和した。(PVeye記者・岡田浩一)

 「真面目に事業を進めてきた事業者は概ね救われるだろう」。
 経済産業省が発表した新ルールを受けて、大規模太陽光発電所を手掛けるデベロッパー幹部は安堵の声を漏らした。
 事の発端は10月15日、経産省が運転開始期限のない未稼働案件への対策として、ルール変更案を発表したことだ。原案では、新たに運開期限を設けるだけでなく、期限内に必要書類を用意できなかったり、工事が終わらなかったりした案件には、売電単価を引き下げる旨が示された。準備期間があまりにも短過ぎるなど、事業者にとっては到底看過できない内容だった。
 その後、経産省はパブリックコメントを実施。最終的に1600件を超える意見書が提出された。経産省は寄せられた意見を一部反映し、12月5日に、40円、36円、32円の運開期限のない未稼働案件に対する新ルールを発表した。
 原案からの最大の変更点は、2MW以上ですでに着工済みの案件に対して、新ルールを適用しないことだろう。つまり12月5日時点で工事計画届出が受理されている案件は新ルールの適用除外となる。売電単価が変わらず、運開期限もないため、金融機関からの融資が止まる心配はなくなるだろう。

申込み期限2MW以上は8月末

 では、2MW未満、あるいは2MW以上で未着工の案件のルールはどう変わるのだろうか。売電単価を維持するためには、まずは系統連系工事着工申込み期限と受領期限を守らなければならない。
 2MW未満の案件はほぼ原案通り19年2月1日が申込み期限で、3月末が受領期限となる。2MW以上の案件は、原案より半年以上先の8月末が申込み、9月末が受領期限となった。さらに、条例に基づく環境アセス(環境影響評価)対象案件は20年2月末が申込み、3月末が受領期限だ。
 2MW以上の案件について、業界関係者の間では、「予想以上に延長されたのでよかった」という声が多いが、条例アセス案件については、「行政次第という側面が強く、これでも間に合わないかもしれない」という不安の声もある。
 ともあれ、ルールは決定した。対象案件を抱える事業者は、それぞれの申込み期限に向けて準備を進めるほかない。
 肝心の申込み要件は、土地を押さえていることは当然として、農地転用と林地開発の許可を取得していること、環境アセス評価書の公告・縦覧が終わっていること、とほぼ原案通り。だが、原案では「農地転用等の許可を得ていること」と表記されていたところの「等」がなくなったことで、不確定要素が減った。
 原案では申込み後に認定計画を変更した場合、売電単価が下げられることになっていたが、変更届出、つまり軽微の変更であれば、売電単価は変わらないことになったのも、原案からの変更点だ。
 さらに、原案では電力会社が決める連系開始予定日に工事が間に合わなければ売電単価が下げられるとなっていたが、連系開始予定日に間に合わなくとも、売電単価は変わらないことになった。これによって、申込み受領後に売電単価が下がる心配がなくなるので、事業者は金融機関から融資を受けやすくなるだろう。

パネル変更OKに

 運開期限については、売電単価が維持できるものは2MW未満が20年3月末、
 2MW以上が同9月末、そして条例アセス対象が同12月末となっている。もし受領日に間に合わず、売電単価が変わってしまう場合の運開期限は、受領日から1年となる。
 原案からの変更点は概ね以上だが、今回、原案にはなかったルール変更が追加された。パネル変更についてである。
 これまで運開期限のない案件は、パネル変更した場合、売電単価が下がるルールだったが、今回から運開期限が新たに設定される案件については、系統連系工事着工申込み前であればパネル変更をしても売電単価が変わらないルールとなる。
 ただし、2MW以上で着工済みの案件については、パネル変更をした場合、新ルールが適用されるので注意が必要だ。
 パネル変更を認めることに関して、「40円案件を開発する事業者が、太陽光パネルを今の市場価格で調達すれば、算定以上の高い利益を得るのではないか」といった批判もある。これは運開期限つきの案件に対して、パネル変更ルールを緩和した2年前にも同様の議論があった。
 今回、経産省は、「他の運開期限がある案件はパネル変更が認められているので、新たに運開期限がつく案件についてもパネル変更を認めなければ不公平だ」というパブリックコメントでの指摘を受けて、「他の運開期限がある案件とバランスをとる」(新エネルギー課)という理由で緩和した。さらに、「新しく運開期限がつくことで、電力会社都合で売電期間が20年より短くなる案件もあり、パネル変更を認めることでバランスを取る」という意図もあるようだ。
 ベーカー&マッケンジー法律事務所の江口直明弁護士は、「そもそもパネル変更を認めないというルールは、パネルメーカーの企業努力が生まれないので疑問視していた。今回の措置によってメーカー間での競争が激化し、太陽光発電のコスト低減につながるだろう」と話す。
 だが、江口弁護士は今回の未稼働案件に対するルール変更に対して、「あくまでも特例にすべき。経産省は今後、過去に遡及するようなルール変更は控えるべきだ。制度自体の信頼に関わる。少なくとも、売電単価が変わり事業者に不利益を与えかねない場合は、一省令の告示変更ではなく、法律で制度を変えるべきだ」と熱を込めていう。
 運開期限のない27円、24円案件については、来年パブリックコメントを実施して決定される。今回と同じようなスケジュールになるとは限らない。対象案件を抱えている事業者は早急に事業を進めよう。

2019.04.30

PVeye

アンフィニ、パネル生産苦戦 工員40人超リストラ検討

 大阪の太陽光パネルメーカー、アンフィニが太陽光パネルの生産で苦戦している。40人超の人員整理を進め、再建を図る考えだが、前途は多難だ。(PVeye記者・川副暁優、平沢元嗣)

続きを読む

2019.04.30

PVeye

住宅用蓄電池、補助金要件が緩和 グリーンモード手動切替も対象

 住宅用蓄電設備の新しい補助金の公募要領が発表された。想定よりも要件が緩和されており、蓄電設備販売の追い風になりそうだ。(PVeye記者・岡田浩一)

 補助金を執行するS続きを読む

no image

2019.04.01

PVeye

福島の太陽光販売店が脱税 経営陣ら4人起訴

 太陽光販売店社長の酒井勝行氏と社員ら4人が脱税の容疑で2月中旬に起訴された。架空の外注費を計上し、2.3億円の所得を隠蔽した疑い。(本誌・平沢元嗣)

 福島地検は、福島続きを読む

no image

2019.04.01

PVeye

日出電機、農地法違反疑いで売電収入を全額返還へ

 大分県の太陽光販売・施工会社、日出電機が、認定申請時の住所と異なる土地で太陽光発電所を稼働させていた問題で、同社は設備を撤去し、売電収入を返還する意向を示している。(本誌・平沢元嗣)
続きを読む

no image

2019.04.01

PVeye

経産省が稼働済み発電所の認定を取消し

 経産省は3月6日、沖縄県の低圧太陽光発電所8件の事業計画認定を取消したと発表。農地法と農振法に違反していたようだ。(本誌・平沢元嗣)

 経済産業省が認定を取消したのは、続きを読む

2019.02.28

PVeye

関東で低圧太陽光に制約 茨城・千葉 連系4年先に

 東京電力パワーグリッドは2月4日、茨城県と千葉県の一部で、低圧太陽光発電所の系統連系時期が2023年度以降になる見通しを示した。新規開発への障害となりそうだ。(PVeye記者・楓崇志)
続きを読む

2019.02.28

PVeye

自家消費を後押し 税制優遇2年延長に

 自家消費利用の太陽光発電設備に対する税制優遇措置が2年延長されることがほぼ決まった。自家消費提案の後押しとなりそうだ。(PVeye記者・岡田浩一)

 太陽光発電の自家消続きを読む

2019.02.28

PVeye

屋根材一体型に延焼の恐れ 消費者庁が住宅用太陽光火災を調査

 消費者庁は1月28日、住宅用太陽光発電の火災事故報告書を公表。裏面に鋼板が敷かれていない屋根材一体型パネルについて、被害拡大の恐れがあると指摘、速やかな対応を求めた。(PVeye記者・楓崇志)続きを読む

2019.01.30

PVeye

売電単価14円へ 500kW以上は入札に

 2019年度の売電単価がほぼ固まった。事業用太陽光発電は、10kW以上500kW未満が14円に引き下げられ、500kW以上は入札制の対象となる方向だ。(PVeye記者・楓崇志)
続きを読む

2019.01.30

PVeye

スマートエネルギーWeek開幕迫る 主力電源化への新トレンドを網羅!

 再生可能エネルギー関連の大型商談展『スマートエネルギーWeek2019』が2月27日より東京ビッグサイトで開催される。出展企業数は33ヵ国1590社、来場者数は7万人にのぼる見込みだ。
続きを読む

PR

  • 株式会社ウエストホールディングス

商品を購入するにはアカウント登録が必要です。

ログインID
パスワード

パスワードをお忘れの方はこちら

まだアカウント登録をされていない方は、お申し込み区分を選択し、新規アカウント登録をおこなってください。

法人 個人

16%オフ 年間購読の割引実施中! 購読お申込み

株価情報

PV銘柄株価ランキング TOP10(日本)

一覧

1 大東建託 13535.00
2 TDK 8750.00
3 東京エレクトロン 8743.00
4 ローム 8100.00
5 信越化学工業 8032.00
6 光通信 7800.00
7 ダイキン工業 7775.00
8 京セラ 6047.00
9 JCU 5480.00
10 オムロン 5150.00

PV銘柄株価ランキング TOP10(NYSE/NASDAQ)

一覧

1 3M Co 164.36
2 International Business Machines Corp. 158.50
3 Komax Holding AG 158.00
4 United Technologies Corporation 119.43
5 Siemens AG 107.85
6 Honeywell International Inc. 101.87
7 Pall Corporation 100.17
8 Illinois Tool Works Inc. 97.77
9 Littelfuse, Inc. 97.30
10 Nordson Corporation 75.41

PV銘柄株価ランキング TOP10(EU)

一覧

1 KSB AG 476.95
2 Linde AG 189.15
3 Air Liquide 120.70
4 Wacker Chemie AG 113.70
5 Henkel AG & Co KGaA 106.90
6 BASF SE 90.00
7 Arkema SA 73.16
8 KUKA AG 72.18
9 Aurubis AG 55.10
10 ASM International NV 42.90

PV銘柄株価ランキング TOP10(韓国)

一覧

1 LG Chem Ltd 235000.00
2 SK Holdings Co, Ltd. 164500.00
3 EO Technics Co., Ltd. 136100.00
4 Samsung SDI Co Ltd 132500.00
5 Oci Co Ltd 110000.00
6 Hyosung Corp 72200.00
7 LG Electronics Inc. 59700.00
8 Kolon Industries Inc 50000.00
9 Samsung Fine Chemicals Co Ltd 36150.00
10 SKC LTD 32750.00

最新号のご案内

2019年5月号

主力電源化に欠かせない! PV運用ビジネスのいま

詳細

太陽光発電の専門メディア PVeye e-book バックナンバー電子書籍サービススタート