ニチコン、住宅用蓄電池リコール
蓄電設備製造のニチコンが住宅用蓄電池をリコールすると発表した。発煙する恐れがあるようだ。(本誌・岡田浩一)
ニチコンは2022年4月4日、販売済みの住宅用蓄電設備に搭載されている蓄電池を無償で交換すると発表した。対象の製品は、16年9月から21年6月までに出荷した蓄電容量11・1kWhの住宅用単機能型蓄電設備で、『ESS−U2M1』、『ESS−U2M2』、『ESS−U2MS』、『ESS−U4M1』の4モデルの一部である。交換対象の設備台数は非公表とした。
消費者庁は18年9月と19年7月、20年10月にニチコンの蓄電設備による火災事故の発生をそれぞれ公表。同社が調べた結果、蓄電池の製造工程に問題があったことが発覚した。同社は対象の蓄電池を搭載した設備を特定し、販売会社などを通じて情報を収集し、19年以降、無償交換を行い、すでにほとんどの交換を終えたという。
だが、顧客情報が不明な対象製品があることから今回の発表に至った。同社は自社のホームページ上で対象製品計59台の型式と製造番号を公開し、交換に応じてもらうよう呼び掛けている。
同社によると、蓄電池を複数構造で囲っているため、内部で蓄電池が焼損しても設備の火災には至らないとしているが、ごく稀に発煙の可能性があるようだ。なお、同社が無償交換している蓄電池は韓・サムスンSDI製の蓄電池とみられる。
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