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アンフィニ、破産へ 補助金48億円消失か

太陽光パネル販売のアンフィニが破産手続きに入る。同社の工場建設に際して国が支給した48億円の補助金は無駄になるのか。

アンフィニは22年4月13日、東京地裁より民事再生手続き廃止の決定を受けた

アンフィニは、太陽光発電設備の販売や電力小売りを手掛け、2017年3月期には売上高が165億円に達したが、以後業績が悪化した。17年7月に総工費約75億円を投じて建設した福島工場での太陽光パネル生産が低迷し、大幅な在庫を抱えたうえ、20年12月以降の電力市場高騰の影響で欠損を計上。金融機関へ返済計画の見直しを要請するなど、資金繰りの改善に努めたが、21年9月30日には86億8700万円の負債を抱え、東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

スポンサー企業の支援による事業の再建を試み、22年2月14日にはPPA(電力売買契約)事業をファラデーに、15日には電力小売り事業を旧おトクでんきにそれぞれ売却したが、福島工場の太陽光パネル生産事業は支援を得られなかった模様だ。22年4月13日には東京地裁より再生手続き廃止の決定を受けている。

民事再生における最大の問題は、福島工場の建設の際に受給した約48億円に及ぶ経済産業省の『津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金』だったようだ。交付規定24条のもと、補助金を受給した事業者には5年間、補助事業における雇用状況を報告する義務が課せられており、アンフィニは60人以上の雇用を5年間維持しなければならなかったという。

だが、アンフィニは17年の工場建設後、翌18年には太陽光パネル生産を縮小し、やがて人員を削減して事実上工場を休眠させていた。経営主体が変わっても、60人以上の雇用を生み出すパネル工場としての再建は難しいという結論に至ったのだろう。ならば、48億円の補助金は国に返還しなければならないはずだが、アンフィニには返済能力がない。このまま破産手続きに入ると、48億円の国費が目的外に使用されたことになるが、果たしてそれでよいのか。

確かに、アンフィニの事業計画には無理があった。17年と言えば、FIT始動から5年が経過していた時期だ。太陽光パネルの製造・販売で国内勢は海外勢に大きく水を開けられており、長くパネルを生産してきた大手企業ですら生産拡大はおろか、縮小も検討し始めていた頃である。そんな難しいパネル生産に知見の乏しい中小企業が挑むというのだから、無謀な計画と見ることもできたはずだ。

看過できないのは、計画が破綻するリスクを事前に見抜けずに48億円もの国費を拠出してしまったことだ。補助金の採択は、『津波・原子力災害地域雇用創出企業立地補助事業審査委員会』で審議した結果、経産省が最終決定しており、国にも責任の一端があったと言わざるを得ない。問題を重く受け止め、対策を講じてほしいものだ。補助金の原資は国民の血税である。

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