PCS国内大手らが EV関連事業に本腰
EVの本格的な普及を見据え、国内のPCSメーカーが関連事業に本腰を入れ始めた。
オムロンソーシアルソリューションズ(東京都港区、細井俊夫社長)は2022年7月14日、EV(電気自動車)関連事業を立ち上げると表明した。V2X(車からの電力供給)設備を開発し、EVを含めた分散型電源の制御を事業化していく方針だ。
そのひとつが22年度内にも開始する法人向けEV充電制御サービスだ。日中に社員がEVを使用し、帰社後に一斉充電すると一時的に電力使用量が増え、ピーク時の電力使用量をもとに算定される基本料金が上昇しかねない。そこで同社は、施設内の電力使用量を把握して各EVへの充電を制御しつつ、翌日の始業時間までに満充電する仕組みを提供し、電力料金を抑制する。
その一方で、同社は23年度の発売を目指してV2X設備を開発している。同社エネルギーソリューション事業本部商品戦略グループの鈴木啓也氏は、「V2X設備があれば自家消費がしやすくなる」とし、個人・法人問わず使用できる製品に仕上げていく考えだ。
同社はエネルギー事業において、EV関連事業を、太陽光発電、蓄電池に続く第三の柱と位置づけた。各分散電源を連携させながら、効率利用を追求していく構えだ。まずは1ヵ所の施設内の最適制御から始めるが、先々は複数の施設を束ねることも検討している。