RE100再エネ認定改定へ
稼働16年以上は認めない方向
卒FITに価値はない?
では、改定案が決まると、日本の再エネ業界にどのような影響が及ぶのだろうか。
まず、適用外の自家消費や自己託送、あるいはPPAによる再エネの導入は確実に増えていくだろう。PPAに関しては、新設であれば、電力消費者と発電事業者の契約が続く限り再エネ認定が受けられる。RE100に加盟する企業と発電事業者などとの間で交わされるPPAは益々長期契約が主になるものと思われる。
一方、波紋を呼びそうな要件は、FITを活用した再エネ発電所の扱いだろう。改定案では、FITの売電期間を終えた〝卒FIT〟電源由来の再エネ電力はRE100として認めない考えだ。加盟企業が卒FITメガソーラーの再エネ電力を調達しても、再エネとしてカウントされないのである。卒FIT電源集めは今後停滞するかもしれない。
とはいえ、今回の改定案はあくまでもRE100加盟企業間のルール改定だ。卒FIT再エネ電源の脱炭素化に寄与するという環境価値が失われるわけではないし、投資回収を終えた競争力のある発電所としての価値もあることだろう。そこに着目する投資家は、引き続き中古太陽光発電所を購入するかもしれない。