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開発相次ぐ系統用蓄電所

国が補助金で後押し

系統用蓄電所の建設計画はほかにもある。グローバルエンジニアリングやミツウロコグリーンエネルギーはそれぞれ北海道に、関西電力とオリックスは和歌山県紀の川市に、NTTアノードエナジーと九州電力、三菱商事は3社共同で福岡県田川郡に系統用蓄電所を建設すると発表。東邦ガスやSBエナジー、ユーラスエナジーホールディングスなども系統用蓄電所の建設計画を明らかにしている。

こうした建設計画の背景には、国の補助事業がある。関電エネルギーソリューションの系統用蓄電事業は21年度補正予算の補助事業に採択されており、谷口部長は、「部材費などの高騰もあり、現在の市況では補助金がなければ投資を決断できなかった」と明かす。

先述の建設計画のなかには補助金を活用しない案件もあるが、最大で定格出力1MW以上10MW未満で3分の1、10MW以上の場合は2分の1の導入支援が受けられるのだ。補助金の存在は大きい。同様の補助金は、現在国会審議中の22年度2次補正予算案に盛り込まれたほか、23年度予算の概算要求でも計上された。その一方で、東京都が東京電力管内の系統用蓄電所を対象に独自の補助事業を始めている。行政の支援はしばらく続きそうだ。

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