中国のシリコン工場が相次ぎ被災
パネル価格上昇か
シリコン価格が上昇
こうした事故や災害の影響で、多結晶シリコンの生産量が落ち、需給が逼迫したのだろう。多結晶シリコンの価格が上昇している。PVインサイトによれば、6月時点で1㎏あたり6.41米ドル(705円)だった多結晶シリコンの平均価格が、8月には9.89米ドル(1088円)、9月半ばには同10.84ドル(1192円)まで上昇した。
多結晶シリコンの価格が上がれば、シリコンインゴットやウエハから太陽電池セルや太陽光パネルまで、製造原価は上昇してしまう。そしてメーカーが自助努力で吸収できなければ、顧客に値上げを要請せざるを得なくなるはずだ。事実、ある太陽光パネル中国大手の日本法人の社長は、「9月に入り、太陽光パネルの卸値をWあたり2〜3円値上げした」と打ち明ける。
海外製品を扱うある商社の社長は、「中国の太陽光パネルメーカーが、契約の締結寸前になって急にWあたり3円の値上げを要求してきた」と近況を語る。
多結晶シリコンの価格上昇がいつまで続くのか。「年内には収まるだろう」との声もあれば、「21年まで尾を引く」と見る向きもある。予断を許さない状況だ。