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NEC、オムロンが自己託送支援に本腰

蓄電池併設で経済性追求

OFEが自己託送用に開発した蓄電設備併設型太陽光発電所

太陽光発電所のEPC(設計・調達・建設)やO&M(管理・保守)を手掛けるオムロンフィールドエンジニアリング(=OFE、東京都目黒区、四方克弘社長)はこのほど、自己託送支援システムを開発、23年1月に自社施設で運用を始めた。京都府宮津市内に直流出力734kWの太陽光発電設備と出力200kW・蓄電容量1200kWhの日本ガイシ製NAS(ナトリウム硫黄)蓄電設備を併設し、100km離れた木津川市内のオムロンの事業所へ電力を託送する。事業所で使用する電力の約3割を太陽光電力で賄う試算である。

自己託送に伴う同時同量に対しては、独自に開発したEMS(エネルギー管理システム)を使う。EMSで太陽光発電設備の発電量と事業所の電力消費量を予測し、蓄電設備を最適に制御する。発電量が電力消費量を上回る場合、太陽光発電設備の出力を抑制せずに蓄電池にためることで経済性を高めていく考えだ。

同社エネルギーマネジメント事業本部EM新事業開発部の俣野雅彦部長は、「自家消費用の太陽光発電設備と蓄電設備を管理・制御できる既存のEMSに自己託送用の機能を加えた。実運用しながら、インバランス低減の精度を高めつつ、太陽光発電設備の出力に対する蓄電池の最適容量などを検証していく」と話す。

同社は、今回のシステムを外部に提供することによって、既存の太陽光発電所開発で他社との差別化を図る狙いだ。俣野部長は「我々は電力消費者側の省エネルギー設備や工場の生産設備まで制御できる。太陽光発電設備や蓄電設備を含めて最適な電力の利用法を提供していきたい」と語る。

蓄電池活用の自己託送が広がれば、太陽光発電所の開発はもとより、産業用蓄電設備の導入が熱を帯びるはずだ。

OFEは太陽光発電所に日本ガイシ製のNAS蓄電池を併設、最適制御して同時同量を達成していく

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