ウエストHD、企業向け再エネ供給で大阪ガスと提携
再エネの需要が急速に拡大した背景には、気候変動対策として脱炭素社会を目指す世界的な潮流がある。投資家はESG(環境・社会・企業統治)に配慮した企業に投資するようになり、企業は再エネを使用して自社の環境配慮への意気込みを示す。14年には事業用電力をすべて再エネで賄う目標を掲げる企業連合、『RE100』が立ち上がり、加盟企業が急増した。日本の大手企業がRE100に参画し始めると、中小企業版の『再エネ100宣言REアクション』が日本で発足、いまでは再エネの利用が中小企業にも広がりつつある。
ただ再エネ発電所の多くは、FITを活用した全量売電用の太陽光発電設備だ。企業の事業用電力を賄うための設備はまだ少ない。高まる需要に対し、供給力が限られている状況だが、一方で太陽光発電設備の建設費は下がっている。事実、設備の自家消費による電力代の削減額で初期の設備投資を5〜10年で回収できるようになった。
つまり、企業向け再エネ需要が高まるなか、競争力のある再エネ電源を開発できるのだ。必要なのは、企業に再エネを供給する仕組みである。ウエストHDは、自社の再エネ事業と大手企業の販売網や信用力を掛け合わせて、再エネ電力を企業に届ける新しいスキームの構築を急ぐ。