九電が出力抑制実施
公平性の担保が課題
抑制は不公平!?
むろん、無補償での出力抑制の受け入れは系統連系の条件だ。とはいえ、売電機会を失われる発電事業者としては、「事業者間の公平性は担保してもらえるのか」(地元の発電事業者)と、疑問を持つのは当然だろう。
公平性については、経産省の専門会議でも議論され、指針こそ示されたが、ルールは明確ではない。九電は、「地域や発電所の規模、旧ルールと指定ルール事業者間で不公平が出ないよう、バランスを鑑みて抑制する」(広報部)というが、仮に回数を平等にしても、今回のように旧ルールは丸1日抑制され、指定ルールは途中で抑制が解除されるのであれば、平等とは言えない。
一方で、透明性の確保も重要だ。発電事業者からは「具体的にどう公平性が担保されるのか、情報を公開してほしい」との要望が出ているが、九電は発電事業者が特定されることを危惧し、情報開示には慎重だ。
出力抑制が実施されることで風評被害による市場への影響も懸念される。
太陽光発電協会の増川武昭事務局長は、「特に住宅用太陽光発電においては、事情をよく知らないユーザーが抑制を心配して導入を断念するケースがある。情報発信や啓発活動に力を入れるべきだ」と語る。