eye sight

災害で保険適用できず

兵庫県神戸市の某販売会社は、今年5月に大阪府東大阪市の住宅オーナーと太陽光発電設備の販売契約を結び、経済産業省で事業計画認定が受理されていないにもかかわらず、6月に太陽光パネルを3.8kW設置していた。

そこに9月4日の台風21号が直撃し、太陽光パネルが屋根もろとも吹き飛んだ。しかも飛散した太陽光パネルが近隣の住宅6軒と車1台に当たって破損したのだ。

販売会社の社長は、「住宅6軒のうち、5軒は火災保険を適用してもらえるが、1軒は火災保険に入っているか分からない」と語り、破損した車の修理代50万円は自社で負担したという。

太陽光パネルメーカーが用意している保険を適用すれば、対物賠償に関する自己負担はないはずだが、今回は認定が受理されておらず、メーカーの保険に申請できないのである。

厄介なのは、太陽光パネルを設置した住宅が3階建てに増築しており、違法建築の疑いがあること。パネルは増築した部屋の屋根に取りつけてあったため、火災保険に加入していても、適用されない恐れがある。

販売会社の社長は「保険適用が難しければ、家の修繕費まで当社で負担しなければならなくなる。認定さえ下りていれば、負担はなかったはずなのに」と悲嘆にくれる。

販売会社の被害額は現状、車の修繕費50万円と太陽光パネルの設置費110万円だが、家の修繕費まで負担すれば、300万~400万円まで膨れる可能性もあるようだ。

認定が受理された後に施工するべきだったのは言うまでもないことだが、同社の社長は、「2月に申請して8月に認定がおりるという状況。そんなに長く待っていたら、会社が倒産してしまう」と呟いた。

eye sight を読む

一覧を見る