田淵、瀬戸際復活なるか
米展開振るわず
田淵のPCS販売が傾き出したのは15年頃だ。低圧太陽光発電所向けの中型機商戦で、中国や台湾のメーカーに敗れ、住宅向けの小型機の出荷も減速。16年3月期はPCSの出荷量、売上高ともに前期比30%以上も減少した。
そこで貝方士利浩社長は当時、日本市場の先行きを「メガソーラーの新規案件と同様に中小案件も減るだろう」と予測し、「米国展開にドライブをかける」と宣言。ハワイ州やカリフォルニア州などでPCSの拡販を目論んだ。
そのときすでに三相25kW機の米国仕様品を開発済みで16年7月から発売したほか、蓄電池付きハイブリッドPCSも製品化するなど、老舗メーカーのプライドにかけて製品開発を推し進めた。
だが、その米国展開、各地域の規制に阻まれ、業績が振るわず、足元の国内販売も低調が続いた。新製品開発などによる設備投資は、収益が上がらずに減損損失を計上、大幅な赤字を抱える結果となった。
それでも、田淵は米国で販路を築きつつある。19年に向けてFIT売電を終える住宅用太陽光発電設備の所有者が田淵製のハイブリッドPCSに置き換える動きも出てきた。再浮上の望みは消えてない。