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蓄電池に代わる19年問題対策!?

東電グループが余剰電力の預かり検討

太陽光発電の余剰電力を一時的に〝預ける〟ことができるようにと、東電グループが実証実験を始めた。蓄電池に代わる2019年問題の新たな対策になりそうだ。(本誌・楓崇志)

東電EP(東京電力エナジーパートナー)は2月21日、トヨタWH(トヨタウッドユーホーム)と共同で『次世代スマートタウンプロジェクト』を進めると発表。トヨタWHが開発する新規分譲地の戸建住宅を対象に、エネルギーやIoT(モノのインターネット)技術に関する新サービスの実証実験を行っていくのだが、その一つが、太陽光発電の余剰電力を一時的に預かる『電気のお預かりサービス』である。

同サービスは、太陽光発電の余剰電力を系統に流すものの、売電するのではなく、東電EPが一時的に預かったとみなすというもの。東電EPリビング事業本部マーケティング・戦略立案グループの三村修一課長は、「蓄電池を導入しなくても、昼間に余った電気を太陽光発電の動いていない夜間などに自ら使ったり、他者とシェアリングできたりするサービスだ」と説明する。

つまり、FITによる買取り期間の終了後を見越した新サービスで、最大の狙いは19年対策だ。

FITによる売電期間を終える住宅用太陽光発電設備が19年11月から市場に現れ始める。FIT終了後の売電契約は相対での個別契約となるため、その時期を商機と睨んだ動きも少なくない。いまのところ、蓄電池を追加設置して自家消費量を増やす手法が主流だが、価格低減が進んでいるとはいえ、蓄電池は高額だ。

そこで『電気のお預かりサービス』が蓄電池の代わりを担うというわけである。無料ではなく、「サービス料金の設定を検討中」(三村課長)というが、設置工事の手間はなく、蓄電池ほどの負担感もないだろう。

三村課長は『電気のお預かりサービス』以外の19年対策についても「前向きに検討を進めている」と話すが、一般家庭にとっては余剰売電の継続、蓄電池の導入などに続く、有力な選択肢となり得るはず。東電EPにとっても19年対策であり、〝蓄電池〟対策にもなるのだ。

今回の実証実験では、太陽光発電設備を設置し、東電EPと電気の契約のある住宅を対象に、実運用するのではなく、参加する家庭の消費電力量や太陽光発電の売電量データなどをもとにシミュレーションを実施する。期間は18年7月から19年3月までの予定だ。

三村課長は、「18年度から19年度にかけて実用化したい。特別な仕組みではないので、横展開もしやすい。電気のシェアリングもあるので市場要素も入れていければ」と語った。

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