検査協会で〝お家騒動〟泥沼化
会員倍増は真か
その一方で、協会の会員は11月に開催された総会の決議に不信感を募らせており、ある会員企業の幹部は協会に疑いの目を向ける。
「理事は、総会で会員300社のうち247社の委任状が手元にあるといい、すべての議題で承認が得られたとした。だが、数年かけて150社しか会員が集まらなかったのに、わずか数ヵ月でさらに150社増えたというのはおかしい」。
実際、ある会員が、「どの地区がどれだけ増えたのか」と、内訳の開示を求めたが、協会は「個人情報で開示はできない」と応じなかった。
この協会の対応は問題だろう。社団法人は、社員構成などの閲覧を社員から請求された場合、正当な理由がない限り拒めないからだ。
しかし、アクトファクトリーは、「個人情報に関係する記述は伏せる」としつつも、記者に300を超えた会員企業の一覧を開示した。そして守岡氏は、「8月から募集を始め、すでにすべての新入会員から入会金をいただいた。会員を増加したのは検査協会を事務局員らから守るためだ」と強調。なお、個人会員の多くは、賛助会員としての入会であり、入会金や年会費が一般会員の半額になっている。
ただ、協会は9月に新年度をスタートさせたものの、セミナーや講習を開講していない。守岡氏は、「今は事務局が機能していないが、一刻も早く通常の状態に戻したい。まずは8月に代表理事の解任を求めた22社の方たちと面談し、実態を知ってもらい、前向きな話をしたい」と語った。
会員のためにも早急な解決が望まれる。