来年度買取り価格 10kW以上21円に
住宅用3年分提示 特高案件は入札へ
来年度の買取り価格が早くも決まりそうだ。12月13日の有識者会議にて入札実施指針なども含めた意見案が大筋で合意された。17年度の太陽光の買取り価格は、10kW以上がkWhあたり21円、住宅用が同28円(出力制御対応機器設置義務ありは同30円)。意見を受けた経済産業大臣が正式に決定する。
今年度の調達価格等算定委員会では、FIT法の改正に伴い、買取り価格や期間に加えて価格目標や入札実施指針なども議論、このほど意見を取りまとめた。
10kW未満の住宅用太陽光は、システム費用の想定値についてトップランナー的なアプローチを採用し、3円低減された。コストダウンをより促すため、19年度まで3年間の買取り価格も決定。19年目標である家庭用電気料金並みの買取り価格を目指し、17年度以降、毎年2円ずつ引き下げ、19年度にはkWhあたり24円(出力制御対応機器設置義務ありは26円)となる。
ダブル発電に関しては、買取り価格と家庭用電気料金との差が縮まっていることから、17年度と18年度は同25円(同27円)で据え置き、19年度に区分を撤廃する。
一方、10kW以上の産業用太陽光は、昨年同様にトップランナー的なシステム費用を採用しつつ、パネル過積載による設備利用率の上昇を受け、3円引きの同21円(税抜)とした。
来年度から入札制度が導入され、2MW以上の特高案件がその対象だ。日本で初めてとなることから、試行的期間と位置付け、まずは17年度に1回、18年度に2回実施することを決めた。3回合計の入札量は1〜1.5GWを想定し、1回目は500MW分を募集する。
入札参加者は指定入札機関への手数料のほか、入札時と落札時に保証金が必要だ。事業実施まで正当なプロセスを進めば、保証金は全額返金される。第1回の入札上限価格は、10kW以上の産業用太陽光と同じ21円。2回目以降は、第1回の結果を検証したうえで設定していく。
入札対象案件を含む10kW以上の太陽光の場合、認定から3年間の運転開始期限が設けられており、期限超過後は超過分の買取り期間が月単位で短縮される。