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「過去の発想に捉われずに徹底して競争力を追求していく」

ソーラーフロンティア 平野敦彦社長

差別化路線を明確にして、第6世代の新型パネルを開発していく。それがコモディティ化から脱却する鍵だという考えはいまも変わっていない。

だが、非常に厳しい米国での価格競争と、一方で聞こえてくる中国メーカーのアグレッシブな計画。それらを考慮すると、次世代パネルを世に送り出すまでの期間の競争が、想定以上に厳しくなる。

そこで、どのような形で事業を改善していくか、様々な選択肢を考えた結果、やはり足元の競争力を徹底的に強めるしかないと。思い切って、過去の発想に捉われずにコスト競争力を高めていこうという結論に至った。

工場の集約は、工場資産を最大限活用でき、コスト低減に繋げられるのだが、ここに至るまでには徹底した検証が必要だった。

要するに、国富工場で東北産パネルや宮崎工場の2×4品をつくれるのかということであるが、検証した結果、東北工場で生産していた低電圧仕様の製品を国富工場でも生産できることが分かった。つまり国富工場で多機能化を図ることができた。

そもそも東北工場では、新しい生産ラインによって製法を変えれば、出力を高められるだろうという仮説を実証しようとしたわけだが、その結果、何が高出力化に寄与するのか分析できた。生産ラインの変更もひとつの要因だが、それだけではない要素もあって、それをうまく国富工場に転用できたのである。

だから、国富工場では、さらなる製品の高出力化が可能になり、製品のコスト競争力を高めていく目途がたっている。それと同時に、工場の多機能化を図ることによって、ポストFITに向け多様化するニーズに応えた製品を生産していく。

一方、東北工場では商業製品をつくるのではなく、思い切って2019年の新商品の開発を進めていく。我々は圧倒的な差別化を打ち出せる新製品を19年後半にも発売するつもりだ。

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