18年度価格 審議開始
入札結果も考慮か
再エネの買取り価格を決める審議会が9月29日に始まった。来年度の太陽光発電の価格は、大型設備を対象に間もなく始まる入札制度の結果を踏まえ、議論を進める方向だ。(本誌・中馬成美)
FIT法の改正に伴い、審議会は、2018年度の再生可能エネルギーの買取り価格のほかに、出力2MW以上の太陽光発電設備を対象とした入札制度も議論することになった。今年度に始まる1回目の入札は、既に参加資格者の審査が終わり、10月27日に募集開始、11月21日には結果が公表される。審議会は、初回の結果を検証し、来年度以降実施する2回目、3回目の入札について、入札量や上限価格の議論を行う。
応札価格は2MW未満の太陽光発電の価格の決定に少なからず反映される可能性もある。
しかし、2MW未満の発電所には低圧発電所なども含まれており、土地造成費用や系統接続費用などを勘案すると大規模案件とはコスト構造が異なる。来年度の調達価格は、規模別のコスト等のデータに依拠し決定されることになるだろう。
いずれにせよ、太陽光発電の価格に関する議論が深まるのは、入札結果が公表されてからになりそうだ。
海外では、競争入札によって、太陽光発電や風力発電がkWhあたり10円を下回る価格で落札されており、日照条件に恵まれた中東では、3円を下回った事例もあった。審議会は、こうした海外の動向も踏まえ、さらなるコスト低減を促す方向で議論がされる。
今年度の審議会では、第1回、第2回ともに認定量が急増したバイオマス発電に関する内容が主な論点となった。開発期間の長い風力発電、地熱発電、水力発電、バイオマス発電に対しては、向こう3年間の価格を設定し、特に小型風力発電に関して、議論を深めていくようだ。