認定遅れ いよいよ深刻
中小販売店が悲鳴
エネ庁、人員倍増で審査遅れに対応
そもそも、なぜ混乱が生じたのか。今年4月に改正FIT法が施行され、太陽光発電設備の認定ルールが変わったことが発端だった。
経産省は、従来の簡素な認定ルールを改め、太陽光発電所の開発から建設、保守・管理、事業終了までの計画を事業者に策定させる事業計画認定に変更した。そのうえ、旧制度の下で認定を取得した事業者にも、9月30日までの事業計画届けの提出、すなわちみなし認定の手続きを求めた。
しかしこれが審査の長期化を招く。経産省は、当初から多少の混乱を予想し、申請書類に不備がある場合を除き、確認完了まで1〜2ヵ月程度かかると見込んでいたが、2ヵ月を過ぎても一向に回答を出せなかった。
6月19日、経産省は「申請項目や必要書類が増え、また電子申請システムを刷新したため、1件の審査に時間がかかる。申請不備も多く、審査期間が長引いている」と状況を報告し、「不備のないものでも3ヵ月ほどかかる」と発表した。
では、現状はどうか。経産省再生可能エネルギー推進室によると、「7月から審査する人員を倍に増やして対応した。これによって、新規の事業計画認定は、10kW未満は概ね1ヵ月、10kW以上50kW未満は2ヵ月で回答できている。みなしは、電子申請であれば2ヵ月、書類の場合は手入力しなければならず一部は3ヵ月かかる」。
それでも申請書に不備があると時間がかかるようで、実際「4月に申請した案件の回答が9月上旬に届いた」(発電事業者筋)といった声も珍しくない。
一方、10kW以上の設備のみなし認定手続きが9月30日に期限を迎える点について、経産省は、「締切りは設けることに意味がある。提出が遅れても、即座に認定失効ではない。早く提出してほしい」としている。
認定遅れは改善しているようだが、販売・施工店にとって半年の空白は大きい。下期は上期の受注残を捌く仕事に追われ、新規の注文が受けられなくなる可能性もある。今期の大幅減収は避けられない状況だ。