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発電所トラブル後絶たず

対策は業者の〝目利き〟

根深い発電所トラブル

稼働後、数年が経過して不具合が見つかった場合、EPC業者と機器メーカーのどちらに責任があるのか判断がつかず、責任の所在を巡って揉めるケースが往々にしてあるらしい。

原因は「第三者機関の竣工検査を受けていない」ことだと、O&M会社は口を揃える。仮に竣工検査を実施していても、EPC業者の自主検査によるもので、客観的に発電所を検査できていないことが多いようだ。

竣工検査を第三者機関が行うことで、「竣工前にある程度設計・施工の不具合を特定し、修繕しておけば、稼働後のパネルの故障について、製品自体に瑕疵があったと判断しやすくなる」(CO2Oの酒井社長)。

ただ、責任の所在を特定できても、簡単に解決しないのが、発電所トラブルの根深いところだろう。

たとえば、メーカー保証を受けるにしても、製品瑕疵を事業者側で立証する必要がある。保証条件には、適用除外事項が多く、証明するには測定方法も厳しく条件づけされている。そのため、事業者はラボでパネル検査を行うのが一般的だ。

ただ、インリー・グリーンエナジージャパンの宗秀行システム開発部長が、「状況によるが、弊社の技術者が現場に行き、製品瑕疵と判断すれば交換する」というように、メーカーによっては必ずしも事業者がラボで検査を行い、製品瑕疵を立証しなければならないというわけではないようだ。

とはいえ、多くのメーカーは保証内容に設置費用を含んでいない。保証が適用され、パネルを交換してもらったところで、費用対効果が見込めず、そのまま放置せざるを得ないケースもある。

仮に費用面で問題がなくとも、「25年、30年といった長期に亘ってパネルメーカーが存在しているのか。倒産しても再保険があるから安心といっても、事業者が直接海外の保険会社と交渉し、保険適用まで持っていけるのか、疑問符がつく」(エーオンジャパンの田中康裕マーケティングマネージャー)。

一方、EPC業者側に不備があった場合も、リスクがあるようだ。あるメンテナンス会社の担当者は、「高圧案件を手掛けるEPC業者は、中小企業が大半で、保証を履行できない場合もある。特に異業種参入組で経験に乏しい業者も多く、事業者がEPC業者に任せきりというのもリスクがある」と指摘する。

では、軽微な機器故障であれば、放置しておくほかないのか。答えはノーだ。「出力が落ちているということは何かしらの原因がある。たとえばパネル内部の断線やバイパスダイオードの故障は、火災の原因にもなりかねない」(パネル部材メーカー担当者)。

発電所トラブルを防ぐには、事業者自身が知見を高め、信頼できる製品やEPC業者を選定すること。そして、少なくとも、第三者による竣工検査は行うべきだろう。

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