発電所トラブル後絶たず
対策は業者の〝目利き〟
太陽光発電所は不具合だらけ?
こうした太陽光発電所のトラブルは全国で多発しているようで、独立系O&M、CO2Oの酒井正行社長は、「これまで高圧・特高を中心に500MW以上の発電所のO&Mに携わったが、ほぼすべての発電所が何かしらの不具合を抱えている」と警鐘を鳴らす。
さらに酒井社長は太陽光発電所の現状について、「強度の足りない架台を選定していたり、メーカーのマニュアル通りにパネルを設置していなかったり、設計ミスや施工不良が目立つ。中にはコネクタが刺さっていないパネルが並んでいる発電所まである」という。
ドイツのO&M企業と横浜環境デザインの合弁会社、アドラーソーラーワークスの渡邉敬浩マーケティング営業部次長も、「金具が外れているなど、単純な施工ミスも少なくない。また、遮光物の把握など、導入時のシミュレーションが甘く、発電量が想定より低い場合も多い」と話す。
設計・施工の問題を指摘する声がある一方で、製品自体の瑕疵も多いと主張するのは、パネル検査を手掛けるエヌ・ピー・シーの伊藤雅文社長だ。同社はこれまでに125ヵ所の発電所を検査し、半数以上の70ヵ所で不具合を発見した。
伊藤社長は、「特に多いのがインターコネクタの断線やバイパスダイオードの故障などだ」と説明し、「不具合が検出されたストリング781本のうち、実に700本近くがパネル自体の瑕疵だった」と語る。