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法規制は未整備も進む発電所のノイズ対策

広がる自主対策

(上)ノイズ測定の様子(下)ノイズ対策に使われるフィルタ

双信電機の碓氷所長は、「最近はノイズ測定の依頼が多い」とし、「ノイズ対策を実施したことを証明するのが目的なのだろう。完工図書にノイズ測定の内容を記録しておくなど、設計段階から対策するEPC業者が増えてきた」と状況を語る。

O&M(保守・管理)サービスを展開する野原産業は、2016年からノイズ対策に着手。発電事業者やEPCにセミナーを開催しているほか、相談窓口を設けている。同社事業開発部の盛田直樹氏は、「ノイズ障害が発生してから対処するよりも、事前に対策しておけば、ある程度費用は抑えられる」と話す。

ノイズ対策にはノイズフィルタの設置が有効だが、ULジャパンのコンシューマーテクノロジー事業部の鳥畑成典氏は、「新たに建設する場合は、障害の出やすい民家や道路などからパネルやPCSを離しておくことも重要だ」と指摘する。

一方、双信電機の碓氷所長は、「ノイズフィルタを後付けできるようにエンクロージャー内のスペースを確保しておくのもひとつ。PCSを離せば、電線の距離が長くなり、設備費は嵩む。費用や立地を考慮した設計が求められる」と語る。

ノイズに関する法規制は未整備だが、今年3月に策定された太陽光発電の事業計画策定ガイドラインでは、「周辺環境への影響を考慮した設計を実施すること」と明記され、PCSの騒音や電波障害についても触れられている。

発電事業者は太陽光発電から発生するノイズのリスクを今一度認識し、必要ならば、早めに対策しておくべきだろう。

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