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追尾式架台、台風で倒壊

土砂災害の対策も

大型台風や豪雨による太陽光発電所の被害は倒壊事故だけではない。土砂災害や浸水による被害もあるようで、O&M(管理・保守)最大手のスマートエナジーは太陽光発電所の臨時点検に追われた。その結果、三重県津市や熊本県山都町、茨城県北茨城市内の太陽光発電所では、土砂災害が発生し、フェンスなどが破損していたという。

同社O&M部の中山一雄部長代理は、「傾斜地に建設された太陽光発電所では、側溝に土砂が詰まり、豪雨で側溝が決壊することがある。その結果、周辺の地盤が緩み、土砂災害を招くこともある」としたうえで、「土砂災害も、被害額が数百万円から数千万円規模に及ぶため、影響は大きい」と説明する。

NITE(製品評価技術基盤機構)によると、19年から21年の3年間で台風による再生可能エネルギー発電所の事故は45件あり、なかでも太陽光発電所は37件と多く、豪雨被害が22件、強風被害が15件だったという。

スマートエナジーの中山部長代理は、「台風被害を最小限に抑えるには、太陽光発電設備の定期点検だけでなく、側溝点検や飛散防止の保護対策も重要だ」という。

経済産業省産業保安グループ電力安全課は23年5月、自然災害に備えた電気設備の保安管理の徹底について注意喚起しており、発電事業者には設備点検の強化を要請している。

三重県津市内の発電所ではキュービクルが土砂に埋もれた(左)。 豪雨で側溝が決壊した(右)

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