中国製追尾架台で相次ぎトラブル
2000万円の損害発生
ソーラーファースト、疑念に全否定も…
これらの件について、ソーラーファーストに文書で問い合わせたところ、次のような回答が返ってきた。
「(不良品のうち)錆びた部品はすでに全て取り換えた。証拠として代納品の写真と日本への送状を提示できる。また、追尾式架台や風速センサは、施工業者がプロでないと作動しないことがある」。
不具合は施工業者側に問題があるという趣旨にも受け取れる。さらに、ソーラーファースト社がエコライフITNとの総代理店契約を反故にした疑いについては、「誤解だ」と否定し、こう理由が綴られていた。
「以前からの得意先は、弊社が直接取引することにしており、契約の範疇外になる。また、契約書には、(エコライフITNからソーラーファーストへの)注文数が2MWに達すれば、(エコライフITNは)弊社の代理店になるが、至らない場合は契約の効力が発生しない条項が明記されている。当該代理店の取引は200kWしかないため、代理契約は成立していない」。
しかし記者が契約書を確認したところ、そのような記述は確認できなかった。また、N社の担当者によると、N社がソーラーファースト社と始めて接触したのはソーラーファースト社がエコライフITNと総代理店契約を締結した後の15年6月23日だったという。ソーラーファースト社はエコライフITNとの総代理店契約を反故にした事実はないと否定するが、それを裏付ける材料はないままだ。
いずれにせよ、ソーラーファースト社は、今後も日本市場で製品を販売したいならば、これらの苦情を早期に収束させるべきだろう。だが、今後の改善策について同社はこう返答した。
「日本の施工業者は欧米諸国と異なり、追尾式架台の施工に不慣れだ。今後日本では、納入先の施工業者がプロかどうか、あるいは追尾システムの施工実績があるかを確認する。経験がない場合は弊社からエンジニアを派遣するか、日本の施工会社を弊社で研修させる。ただし往復の旅費や宿泊代は負担してもらう」。
果たしてこの主張を受け入れてまでソーラーファースト製品に価値を見出す日本企業は現れるのか。安価な製品と長期的リスクを天秤にかけてみるといい。