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保守・点検ガイドラインづくり佳境に

改正FIT法の施行を控え、ガイドラインづくりが佳境を迎えた。国の事業計画策定ガイドラインに加え、日本電機工業会(JEMA)と太陽光発電協会(JPEA)を中心に民間の保守・点検ガイドラインの議論も進む。早ければ年内にも明らかになりそうだ。

改正FIT法は長期安定発電を促すため、適切な事業実施を確保する仕組みを導入する。これが〝保守・点検の義務化〟と言われる所以だ。7月末に省令が公布され、計画段階から長期的な事業実施計画を明確に定めることを認定要件の一つとした。事業実施計画には、発電設備を適切に保守・点検・維持管理する体制を整備し、実施することや、廃止時の取扱いについても織り込むことになる。

それらをより具体的に落とし込んだのがガイドラインとなる。国が事業計画策定ガイドライン、民間が保守・点検ガイドラインをつくるというもので、策定作業が進んでいるようだ。

国のガイドラインは、「他法令の遵守を求めつつ、電気事業法で見ていない部分もある保守・点検に関しては少し丁寧に盛り込むつもりだ」(経済産業省新エネルギー課)。民間主体で策定するガイドラインは、JEMAとJPEAが有識者や認証機関、メーカーなどを委員とする検討委員会を設置し、傘下のサブワーキンググループにて原案づくりに着手している。

JPEA事務局長の亀田正明氏は、「将来的なJIS化も視野に国際規格と整合させる。IECでも保守・点検に関する規格が審議されており、それらとの整合を取りつつ、JEMAやJPEAの既存ガイドラインなどを参考に議論を深めている」と話す。

経産省は広く意見を聞くため、関係各所を招いた連絡会議を7月13日に開催。配布資料によると、保守・点検ガイドラインの対象は1500Ⅴ以下の全ての太陽光発電システムで、10kW未満と10kW超で分け、電気的要求を中心にパワーコンディショナまでの直流側を規定するようだ。経産省から土木・造成などに関する指摘もあったようだが、「それは保守・点検というよりも設計段階での安全性や信頼性確保に関する部分で、専門家も違う。懸念点は理解しており、別の場で議論している」(亀田氏)。

ガイドラインの原案は検討委員会での審議を経て、関係団体などからの意見収集も行われる。完成後はJEMA及びJPEAのホームページで一般公開される。

改正FIT法の施行を見据え、年内にも取りまとめたい模様だ。

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