今年度申請期限迫る
東京・中部は年内いっぱい
10kW以上50kW未満を24円、10kW未満を31円(出力制御対応機器の設置義務がある場合は33円)とする低圧太陽光発電の今年度の電力申請が間もなく終わる。東京・中部の2電力は、今年度単価の売電申込みを年内にも打ち切る模様である。早めの準備が必要だ。
売電単価は、電力会社との接続契約の締結時に決まるため、今年度の買取り価格の適用を受けるには、それほど時間はない。高圧以上の案件は270日ルールにより、すでに今年度単価の24円の適用は難しい。
住宅用や50kW未満の低圧産業用は、まだ間に合いそうだが、いつまでに電力会社へ接続契約を申込めばよいか、九州電力を除く電力会社は、期日を公表していない。そこでヒアリングを行ったところ、締切り日の目安が明らかになった。
表のとおり、早めの申込みが必要となりそうなのが東京電力と中部電力だ。両社は、年内の申込みを事業者に勧めている。北海道電力、東北電力、中国電力は、明確な日付を答えなかったものの、各社「例年通りであれば、約ひと月前までは間に合うだろう」と答えた。
一方、九州電力管内では、たとえ住宅の余剰売電契約であっても、これからの申請では年度内に締結できないかもしれない。九電は、今年6月末までに系統連系申込書を提出した案件は、特高発電所まですべて2016年度の買取り価格を適応すると5月25日に発表しているからだ。6月末までの申込みでなければ、契約の締結が来年度以降にずれ込むこともあるというわけだが、九電によれば、「50kW未満の場合、昨年は1月末までの申込みに対してほとんど3月末までに連系契約を締結できた」という。
電力各社は「提出書類に不備があれば、当然今年度内の契約ができなくなる。また年度末は例年駆け込みで申込む方が大勢いる。できる限り早めに申込んでほしい」と訴える。今年度は改正FIT法施行を控え、例年にも増して認定の駆け込みが増えそうだ。
連系申込みの前に経済産業省から設備認定の取得が必要だ。経産省は11月18日、『平成28年度中の設備認定等に係る申請期限について(注意喚起)』と題する文書を公開し、年度内に設備認定や変更認定を取得するためには、来年1月20日までの申請書類の提出を事業者に求めている。
ただし今年度中に設備認定を取得しても電力会社との連系契約が締結されなければ意味がない。いずれにせよ、申請は早めに済ませておくのが無難だろう。