試練迎えた太陽光発電
FIT制度からの撤退論争始まる
早ければ、17年度からFIT除外
FIT制度からの撤退とは何を意味するのか。それは文字通り、ミックス値を超える認定を持つ太陽光発電を、FIT制度から除外するということだろう。ある委員は「FIT制度の大枠を残したまま、合理化する最適な方法が、買取り価格の決定時期を運転開始時に後倒しすることです。そうすれば認定後の未稼働案件も自然になくなったはず。だが、こんなささやかなことでも猛烈な反対で潰された」と話す。
ささやかかどうかは判断し難いが、系統制約によって、未稼働案件が積み上がり、積み上がった未稼働案件が、後発組の参入を阻むという負の連鎖を引き起こしている。
また「抜本的な改革をせずとも、買取り価格を大幅減額すれば、実質、買取りを止めたのと同じ状況にできる」と話す委員もいる。さらに悪質なケースの認定取消しという敗戦処理が実施されるのかもしれない。
いずれにせよ、制度改革小委員会での議論は多岐に渡る。買取り価格の決定方法のあり方。認定制度はどうあるべきか。稼働済み発電所に適切なO&M(運営・管理)を実施させる枠組みづくり。はたまた出力抑制を具体的にどう行うのか。買取り価格の決定時期すら再度、見直すというから、大ナタを振るうのかもしれない。
こうした議論を本気で実行するのなら、当然、法律改正が必要だ。年内に取りまとめ、16年度の通常国会に提出、可決されれば、17年度から施行というスケジュールが一般的だろう。
残された時間はわずかだが、自主規制を徹底するなど、業界団体での自浄作用を少しでも期待したいのだが、もはや後の祭りか。