12年度、設備認定の実態
1.8GWが認定取消し、2.7GWはいまだグレー
認定取消し・廃止数はのべ1.8GW。聴聞予定は2.7GW。8月末を取消し期限に定めていた12年度の設備認定の結果が、公表された。今後は、聴聞予定の2.7GWがどれだけ取消し・廃止されるのか。また36円の報告徴収の動向に、焦点は移りつつある。
経済産業省が、1年かけて進めてきた12年度、40円設備認定の報告徴収結果が発表された。対象となった400kW以上の設備、13.3GWのうち、運転開始済み、あるいは土地と設備の2要件をクリアした案件は8.8GWだった。
一方、取消し・廃止数は1.8GW。残る2.7GWに関して、経産省では聴聞を順次行い、要件を満たさない案件は取り消す方針だ。
今後の焦点は、聴聞予定の2.7GWの動向と、今年8月から徴収が始まった36円のゆくえだ。仮に2.7GWがすべて取消し・廃止となれば、4.5GWが消滅することになる。
何より注視されるのが36円の設備認定だ。報告徴収の対象は、12年度の倍以上となる28.2GWにまでおよび、9月末が提出期限とされた報告徴収をどこまで回収できるのか、不透明感が強い。また36円認定も、土地と設備2つの決定状況が確認できない案件について、行政手続法上の聴聞を経て、取り消す方針である。しかし、聴聞などの行政負担も大幅に増えるため、長期化は必至の情勢だ。
その一方、全国各地で起こる系統制約によって、系統連系協議の回答が〝保留〟という事態が発生するなか、発電事業者側も不安を隠せない。「連系協議が不調であれば、ファイナンスもおぼつかない。この状況で土地と設備をおさえるのは無理」との声があがる。
経産省では系統制約や東日本大震災の被災地事由を鑑み、接続協議が継続中、あるいは被災地案件に関しては、15年3月末まで期限を延長させる救済措置を構じている。だが、出力抑制30日ルールの発動がいよいよ現実味を帯びるなか、系統制約によって事業性を失い断念・廃止案件がどれだけにのぼるのか。雲を掴むような状況が続く。