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群馬北部で連系難航

300MW足止めか 東電、解決目途立たず

進まないバンク逆潮対策

一方、バンク逆潮流の対策が進んでいない。経産省は2013年5月末にガイドラインを改正して規制緩和を実施。各電力会社も13年7月から対策に動くことになっていた。だが、実際は工事が長引いており、電力会社から1年以上接続を待たされている事業者が増えている。いったい何が問題なのか。

バンク逆潮流とは、太陽光発電設備の設置が進み、配電網へ逆潮流が増えることによってバンク(配電用変電所から電力需要家までの配電系統)全体の電位が上昇し、配電用変電所内の配電変圧器で逆潮流が発生してしまう問題だ。これが原因で、昨年5月までは太陽光発電所の接続を拒否されるケースが頻発していた。

しかし送電用変電所と配電用変電所とを結ぶ送電線が逆潮流できるようになれば解決するとされ、経産省は2013年5月末にガイドラインを改正して規制緩和を実施。各電力会社も13年7月から対策に動いた。

工事費は、電力各社が一時負担して、対象のバンクに接続する発電事業者からkWあたり2000〜3000円徴収するということで決まり、その後電力会社が順次工事していくということで収束した。

しかし、1年以上経過したいまも、対策が進んでおらず、接続待ちの事業者が増えている。

あるEPC幹部は、「180日ルールで着工を急がせておいて、系統連系では1年待てと。制度の矛盾はマーケットを歪にする。せめてバンク逆潮流は早く解決してほしい」と訴える。なぜ対策が遅れているのか。東京電力の担当者は、「電圧制御装置と保護装置が特注品で、メーカーも2社しか存在しない。注文が集中しており、納期は10ヵ月を超えている」とし、さらに「配電用変電所内の工事になるので、電力需要の低い時期にしか工事できない。7月、8月、9月、12月、1月、2月は避けなければならない」という。

設備認定量は今年3月だけで実に26GW、13年度の認定数は45.6GWに達した。これらが系統に接続されていくことを想定すると、バンク逆潮流の対策も含めて受け入れ体制を早期に整えなければ、大量の案件が手つかずのまま何年も放置されるという状況になり得る。

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