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債権総額6億円か 事業再開も資金繰り困窮

エステート24HD事件の闇に迫る

タマホーム社長とのグレーな!?蜜月

業界に波紋を広げたエステート24ホールディングス社長の秋田新太郎氏らによる融資詐欺事件。同社は11月9日より再び秋田体制で事業を開始したが、信用は大幅に低下し、取引先との関係が悪化している。債権者への支払遅延も続き、事業の継続が危うい状況だ。仮に経営破綻となれば、6億円規模とみられる債権が焦げ付き、これまで同社から太陽光発電システムを購入したユーザーが長期の保証サービスを受けられなくなる懸念もある。エステート24HD事件の闇に迫った。

大阪府警によると、秋田新太郎被告(28歳)と元財務担当執行役員の田中智久被告(36歳)は、販売実績を水増しして2012年9月にみずほ銀行から約2億円の融資を引き出したという。みずほ銀行は被害届けを提出した模様で、大阪府警捜査2課は13年10月19日に両名を詐欺容疑で逮捕した。

同社は12年12月期の売上高を135億円になると公表していたが、捜査関係者によると、実際は25億円程度の売上高だった。決算を粉飾して返済能力があると装い、さらに他のメガバンクから融資を受けたとする偽造証明書を提出していたという。

逮捕された2名は容疑を認め、大阪地検は11月8日、両名をみずほ銀行に対する詐欺罪で起訴した。秋田氏は11月9日、2000万円の保釈金を払って保釈されたが、田中氏は現在も拘留中。両名の罪状は今後の公判で確定する。

では現在、エステート24HDはどのような経営状態なのか。秋田氏によると、金融機関からの借入金は、千葉銀行からの約1億円とその他の複数の銀行からの数千万円単位の借入金を合わせて3億円弱。さらに施工会社や仕入先への未払金が3億円で、計6億円の債務があるという。

これら債務の一部は支払い期限が過ぎており、同社は11月頃から債権者に支払い先延ばしの相談を持ちかけている。支払い遅延の理由は、秋田氏が逮捕後拘留されていた10月19日から11月9日までの間、エステート24HDが営業を停止しており、その間入金がなかったこと。

ただ、秋田氏は「今年12月30日までに必ず全額支払う」とし、その返済原資は、「タマホームの100%子会社ジャパンウッドからの売掛金3億円と、販売店からの売掛金2億円の約5億円の未回収金が年内に入ってくる」という。

しかし、どうやらジャパンウッド側はエステート24HDの支払い要求に応じていないようだ。そればかりか、ジャパンウッドの担当者は、「エステート24HDとは直接取引していない。当社はアローズコーポレーションから太陽光発電システムを仕入れ、またアローズに施工を依頼している」とのみ答え、あくまでエステート24HDと取引関係にないとの主張を崩さない。

しかし不可解なのは、グローバルエナジーHDという秋田氏が代表を務める会社に、タマホーム会長兼社長の玉木康裕氏が出資していること。同社のホームページ上で会社情報の株主欄にその名が表示されている。つまり秋田氏と玉木氏は個人出資で合弁会社をつくる間柄だった。

この背景にあるのが、エステート24HD乗っ取り事件のようだ。アオヤマという光通信出身の代表が務める経営コンサルティング会社に、秋田氏らエステート24HDの役員が解任される騒ぎがあった。これによってエステート24HDは信販取引ができない状況に陥り、今年1月に秋田氏はグローバルエナジーHDという別会社を設立してエステート24HDの事業を移管。さらに玉木氏から出資を受けることで信用を高め、アローズコーポレーションを介してジャパンウッドと取引したのである。

ではどのような取引内容だったのか。秋田氏は、ジャパンウッドの看板を借りて販売から商品調達などすべてエステート24HDが行なっていたため、ジャパンウッドの売上の97%はエステート24HD側に支払われるべきであり、それが未回収金の3億円だという趣旨の発言をする。

しかし双方合意のうえの適切な取引だったのだろうか。奇しくも11月15日、ジャパンウッドでは、太陽光発電事業で施工完了前に売上が計上されていた疑いがあがり、不適切な経理処理があったとして同社の山口吉夫前社長は解任されている。タマホームは今年3月に東証1部上場を果たしたばかりであるが、早くも疑惑が表面化したようだ。

そしてエステート24HD。信用が失墜したいま、もはやエステート24HDが信販会社と取引して太陽光発電システムを販売することは難しい。秋田氏はどのようにして再起をはかるつもりなのか。その前に法令遵守を肝に銘じてほしいものだ。

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