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24年度本予算、再エネ補助手厚く

2024年度本予算の再エネ関連の国家補助が固まった。GX推進対策費が加わり、予算額は6000億円を超え、国庫債務負担も含めると総額1兆円を優に超えそうだ。(本誌・土屋賢太)

衆議院は2024年3月2日の本会議で24年度の本予算を可決した。経済産業省や環境省が公表していた24年度予算案から大幅な変更はなく決まりそうだ。

特筆すべきは、経産省管轄のGX(グリーントランスフォーメーション)推進対策費である。この財源によって、24年度本予算の再生可能エネルギー関連の補助は6000億円以上になり、国庫債務負担まで含めると、1.2兆円を超えるのだ。

なかでも、予算規模2300億円で新設された『蓄電池の製造サプライチェーン強靱化支援事業』は注目すべき事業だろう。いわば蓄電池メーカーの大規模な設備投資に対する国の支援事業であり、これをもって国は蓄電池の国内年産規模1.5億kWhの目標を実現させる狙いである。24年度から蓄電池メーカーの設備投資がさらに活発になるかもしれない。

一方、新設の『脱炭素成長型経済構造移行推進機構出資金』も市場に与える意味は大きいと言えるだろう。国はこの財源で民間金融機関に対して債務保証などを行う『GX推進機構』を創設し、民間企業のGX投資を下支えする考えである。金融機関による再エネ事業者向けの融資が本格化しそうだ。

このほか〝非FIT〟太陽光発電所開発の補助として定着した『需要家主導型』や、系統用蓄電所への補助のほか、FITをFIP(フィード・イン・プレミアム制度)に切り換えて蓄電設備を併設する際の補助など、経産省の従来の補助金は24年度も継続される方向だ。

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