eye sight

再エネ抑制量19億kWh超え

前年度比3.3倍増

24年度も抑制増加か

では、24年度も出力抑制量は増えるのか。大手電力各社の予測では、九電管内と沖縄電力管内を除いて出力抑制量は増え、24年度は前年度比1.28倍の24.2億kWhになる見込みだ。東北電力と中国電、四国電は管内の出力抑制率が1~2%上昇すると予測している。

諸富教授は、「再エネの主力電源化を掲げているのだから、出力抑制は減らさなければならない。このままでは再エネ投資が冷え込みかねない」と警鐘を鳴らす。

もっとも、対策として電力系統の増強がある。ただ、電力広域的運営推進機関のマスタープラン(電力系統の増強計画)によると、6~7兆円かけて増強しても出力抑制率は12%程度かかるという。ならば、蓄電設備の導入拡大や電気自動車の普及促進、あるいは上げDR(需要応答)の活用も含めて対策を総動員させるほかない。出力抑制問題を解決しない限り、脱炭素社会は訪れない。

eye sight を読む

一覧を見る